ある試料中のある成分Aを分析したいとしましょう.
ところが,この分析手順上,同じ試料を測っても,どうやっても測定器の出す出力 (吸光度でも電圧でも何でもいいです) が一定にならないことがあります.
たとえば,蒸留プロセスとか,沈殿回収プロセスとかが入ると,その部分の再現性で,最終的な測定の結果が変わってしまうときなんかがあります.
そういうときには,これらの再現性の低いプロセスにおいて,成分Aとほぼ同様の挙動を示すような別の標準成分Sを試料に加えて分析します.
この場合,同じ濃度になるようにSを加えておいても測定器の出力は毎度違ったりするわけですが,それが大きくなるときは,Aも同じ割合だけ大きくなるはず,と考えるわけです.
あらかじめ,一定のSに対して,Aの濃度を変えて作った標準サンプルを分析して,Aについての出力とSについての出力の比を取ってやれば,Aの濃度に対して,途中の過程の収率とかの問題を修正した検量線が得られるわけです.
あとは,Aの濃度のわからない肝心の試料に対しても,同じようにSを加えて分析してやれば,Aの濃度を決められるはず,というわけです.