- ベストアンサー
量子化学分子の軌道とは?位置関係や波動関数の意味について詳しく解説
- 量子化学において、分子の軌道は電子が存在する領域を表します。1s軌道や2s軌道は原子核を包み込むように位置し、電子密度が高い領域です。2p軌道はさらに外側に位置し、3つの軌道が互いに90度ずつ回転しています。
- 軌道とは電子の存在確率を表すものであり、通常は波動関数として表現されます。波動関数の正負の位相は電子の波の立ち上がりと立ち下がりを表しており、+と-の符号はその波の性質を示しています。
- 結合性軌道と反結合性軌道は分子軌道の特異な形態であり、電子がお互いに重なり合っているか相殺しあっているかで特徴付けられます。結合性軌道は原子核を中心に電子が集まり、反結合性軌道では電子の密度が低下しています。
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
- ベストアンサー
s軌道に関しては、そのような理解でよいと思います。 p軌道に関しては、教科書などに書かれているように、2個のローブからなる軌道が3個直交しているというイメージでよいと思います。ただし、単独に存在する原子においては、方向が固定されているわけではありません。したがって、結合を作る際などで、複数のp軌道の相対的な方向性が問題になる場合以外にはあまり意識する必要はないと思います。 軌道というのは電子雲の濃さと関係していると考えてよいと思います。しかし、上述のように原子が結合を作らずに単独で存在している場合には、p軌道の方向性は大きな意味を持たないと思います。 波動関数というのは、軌道を表現している関数(式)ということになると思います。 位相というのはイメージしにくいかもしれませんが、波動関数では電子を「波」として表しているために、「位相」の概念が出てきます。乱暴な言い方をすれば、海などの波を見ると、盛り上がっている部分とくぼんでいる部分があります。これを位相と考えればイメージしやすいのではないかと思います。 このことは、結合性、半結合性の問題と関係してきます。つまり、結合を作るときには、複数の原子の波動関数が重なり合うことになります。そのときに、波の高い部分同士が重なり合えば、波の高さは2倍になりますが、逆に高い部分と低い部分が重なり合えば、波は打ち消されてしまいます。すなわち、これと同様に、2個の軌道が重なるときに、強めあう重なりと、弱めあう重なりがあり、それが結合性軌道と反結合性軌道に対応しています。 結合性軌道と反結合性軌道の位置関係を言い表すのは難しいですが、「原子核を中心に重なっている」というのは正しくないと思います。これらの軌道は、複数の原子間にある「分子軌道」であり、sとかpというのは「原子軌道」です。それらの違いを明確に意識しておく必要があります。結合性軌道と反結合性軌道は位相が違っているだけですので、対応するもの同士の比較では、軌道の対称性に関しては一致していることになります。 長々と書きましたが、小生も専門家ではありませんので、誤解している部分がありましたらご容赦ください。
その他の回答 (2)
昼寝をしたら頭がはっきりして(爆)思い出しました。 Schroedinger の波動方程式: HΨ=EΨ を解いた結果として固有値E2pに対して三つの直交する解が得られますがそのうちΨxについて考えましょう。 Hψpx=Epψpx が成り立つときψpxはユニタリ共役な函数ψpx^*を持ちますその関係は ∫ψpx^*Hψpx dxdydz=Ep ∫ψpx^*Hψpx dxdydz=1 ユニタリ共役とは二番目の式がない起つことを意味します。また一番目の式が Hψ=Eψ そのものです。 ここで二番目の式でdxdydzで囲まれた空間での電子の期待度(確率ではないというのがコペンハーゲン解釈のハズ)です。 それを図で表したのが電子雲です。 なお、この電子雲は全方位正ですがΨと混同して位相を導入するため+部分と-部分がx軸に対し回転対称かつyz平面に逆対称となって表れます。 電子雲は函数ではなく、通常書かれる電子雲は期待度と函数をごちゃ混ぜにしたものと言えるでしょう。
>あと、波動の位相(+と-)とは、何者なんでしょうか? ご質問全体が結構難しいところを突いているので、安易には答えられません。 そこでまず物理屋さんが示してくれる位相の姿を「動画」で見て下さい。 http://www2.neweb.ne.jp/wc/morikawa/iso.html 上部にあるのが四角な箱の中の波動関数、最後の回転しているものがf軌道です。 さらに四角の中にT字型の境界領域があると http://www2.neweb.ne.jp/wc/morikawa/tid.html になります。 それをご覧になっている間に(数日間かな)電子雲と波動関数の関係を思い出します。(汗 さらにこの大元のページで物理数学の可視化をお楽しみ下さい。 m(_ _)m
お礼
僕の解釈は強ち間違ってないみたいですね。(^^; ありがとうございました、、、