- ベストアンサー
アシドーシス時による骨吸収亢進について
アシドーシスの長期合併症として骨吸収亢進があると教わりました。 仮に腎によるH+排泄障害による代謝性アシドーシスならば、Ca再吸収の低下に伴い骨吸収が亢進すると思いますが、これ以外に、アシドーシスの原因を問わず、何か骨吸収を亢進させる機序があれば教えてください。
- みんなの回答 (2)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
ケトアシドーシスでしょうか? 一つの理由として、持続する高血糖で高浸透尿になり、尿中から止め処もなくカルシウムその他のミネラルが排泄され、Ca++欠乏を引き起こします。その為にカルシウムの骨吸収が進みます。 二つ目の理由として、糖尿病の食事療法下でカルシウム不足を引き起こし、同じく骨吸収が進みます。 また、乳酸アシドーシスであると仮定すれば、糖をエネルギー変換するTCAサイクルの一歩手間で、ピルビン酸からアセチルCoAに変換される前に相当量のビタミンB1、ナイアシン、ビタミンCが必要とされます。 これらビタミンの不足で、ピルビン酸から乳酸が発生して、このビタミン不足で乳酸からピルビン酸への変換は不可逆的となり、乳酸アシドーシスを引き起こします。 このような状態では、ビタミンだけではなくカルシウムを始めとしたミネラル類の摂取不足があっても不思議ではないと思います。 よって、カルシウムの骨吸収は進みます。 その他、質問の腎疾患以外では、副甲状腺の機能なども考慮に入れる必要があるかもしれません。また、アシドーシス治療下で閉経などが重なれば、カルシウムの骨吸収が進むものと思われます。
その他の回答 (1)
- higegie
- ベストアンサー率51% (223/436)
> ・・ 「アシドーシスが長期化するとアルカリの骨成分が溶け出して平衡を保とうとする」という話を聞いた事があります・・・と云うことですが、 骨成分について申し上げると、骨の器質はタンパク質です。また、骨のカルシウムは、無機質といいまして・・酸でもアルカリでもなくPHは中性です。 アシドーシスが長期化する原因究明こそが最重要課題です。
お礼
丁寧な説明ありがとうございます。 疑問が解消されました。ややおろそかにしがちな基礎的な知識が、疾患検討にあたってこれほど重要だという事を再認識しました。 本当にありがとうございました。
お礼
なるほど。深く感心させて頂きました。大変勉強になりました。ありがとうございます。 なお、「骨成分はアルカリなので、アシドーシスが長期化するとアルカリの骨成分が溶け出して平衡を保とうとする」という話を聞いた事がありますが、この点について何かご意見等あれば教えて頂けないでしょうか。