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歌舞伎『お江戸みやげ』
歌舞伎初心者です。 『お江戸みやげ』のラストシーンで、 阪東栄紫がお辻に袖口から布を破って渡していましたが、 それはどういう意味合いがあるのか、ずっと気になっています。 歌舞伎の詳しい方、お教え願います。
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- ko-kyo1
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形見に又は固めの印に、襦袢の片袖を渡したのだと思います。もしくはまた出会ったときの目印に。 昔の人はロマンチックですよね。
- somikakuda
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袖口から破った布は、襦袢の袖です。襦袢というのは下着ですから、下着の一部を異性に渡したことになります。 ちょっとエッチなかんじですよね。 今でも、タレントさんが、着ているTシャツを脱いでファンにあげたら大喜びされると思います。似たようなかんじです。 また、「袖」については、昔(平安時代)は着ていた着物をお互い脱いで重ねておふとんにして、その上でエッチしました。 「袖を重ねる」=恋人としての情を交わす というようなニュアンスも生まれます。 歌舞伎ですと、時代物になりますが、「弁慶上使(べんけいじょうし)」という舞台で、若い頃の弁慶が見知らぬ娘を一夜を共にし、別れ際に娘は弁慶(若いので美少年)の袖を破きます。 これをずっと自分の襦袢の袖として持っていたことで、娘は弁慶と20年ぶりに再会する、という部分があります。 こちらに解説があります。 http://blog.goo.ne.jp/yokikotokiku/e/eee6b97eba0c07fdaa583616dcfe8a5b また、「夏祭浪花鑑(なつまつり なにわかがみ)」では、友情の証としてお互いの浴衣の袖を破って交換する、という場面があります。 全体に、着ているもの=本人の分身であるという前提があり、しかし着物を丸々渡すのが難しい状況において、着物の一部であり、比較的取り外しやすい「袖」を、着物の代わりに渡す、ということだと思います。 というわけで、栄紫が自分のファンであり、スポンサーであるお辻さんに袖をやぶって渡すことで、「あなたにも気持ちがあるよ」と夢を見せてくれたわけです。 もちろんそれはただの夢で、お辻さんは騙されているわけですが、それでもただだまされるよりは「袖」という「形のあるもの」を受け取ったことで、お辻さんは夢を見続けることができるのです。 そういうあざとい、芝居がかった方法で、自分を傷つけずに「いい思い出」を与えてくれた栄紫に、お辻さんは恋愛感情を超えた、プロの役者に対するリスペクトを込めて、ファンとして、最後は屋号を呼んで送り出した、ということだと思います。
お礼
ご回答ありがとうございます。 詳しく教えて頂いたおかげで、スッキリしました。 今度再演された時は、また違う観方ができそうです!
お礼
お礼が遅くなりまして、すみません。 情報が溢れている今では考えられない表現ですね!?