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ウィルスは死にますか
「生物と無生物の間」という本を読みました。 それによると、ウィルスは代謝しない、ウィルスは生物と無生物の間の存在である、というような事が書いてありました。 普通生き物が死ぬというのは代謝をしなくなることだと思うのですが、ウィルスが代謝をしない、ということは、ウィルスに死はないのでしょうか? 今度の新型インフルエンザにしてもウィルスは死ぬことなくじっと次に感染する人を待ち受けているのでしょうか?それとも人間がウィルスを物理的にすりつぶしてしまって、完璧に駆除するのでしょうか?
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獣医師でウイルスに専門知識を有します。 ウイルスでは「感染能を失うこと」を"死ぬ"と同義語で「不活化する」と定義しています。 ウイルスは生きた細胞内でしか増殖することができず、また増殖以外の生命活動をしませんから、「細胞に感染できなくなった」状態のウイルスは、もはや生命としての活動は何もできずモノと同じ、ということですから。 この状態を「死んだ」と言って別に間違いではありません。私達専門家でも日常会話では"感染能を失った"="不活化した"という状態を"死んだ"と言ってます。 なお、この「死ぬ」=「不活化する」=「感染能を失う」という状態は、ウイルス粒子内部の遺伝子が破壊されることは必須条件ではありません。 端的に言えば、ウイルスの外殻蛋白の一部が変性すれば、そのウイルスは「死ぬ」ことになります。 ウイルスは「生きた細胞内でしか増殖できない」と書きましたが、その生きた細胞内に侵入する手段は、細胞表面の受容体にウイルス外殻蛋白の一部が結合することによります。結合すれば、あとは細胞が勝手に内部に入れてくれるのですが、その受容体に結合できなければ、そのウイルスは細胞内に侵入できませんから、「死ぬ」ことになるわけです。 消毒薬や乾燥、高温などの環境要因は、この細胞外殻蛋白の変性に関与するわけです。 特にインフルエンザウイルスなどのエンベロープを持つウイルスは、このエンベロープが失われれば感染能を失いますから、石鹸やエタノールで容易に不活化させる、すなわち殺すことができます。エタノールではウイルスの外殻蛋白そのものは影響されず、従ってウイルス粒子内の遺伝子にも影響がないのですが、エンベロープが失われるだけでそのウイルスは「死ぬ」ことになります。
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もともとウイルスが「生きている」もの(つまり生物)だと仮定します。 そして、死という概念の定義は様々であってよいと思いますが、今回、「ウイルスの死とは感染できなくなることである」定義してみます。 この場合、例えば、日々、私たちの体内では膨大な数の様々なウイルスが免疫系によって攻撃され、増殖も感染もできない状態に処理されていますので、「ウイルスは死にます」というのが解答になります。また、宿主になり得る細胞が無い場所に裸で置いておけば自然に「死にます」。
- masatoshio
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機能を失い、感染力がなくなる、あるいは固有の形態を維持できず分解してしまう、というような状態を「死んだ」と表現してもいいのではないでしょうか。しかし、死んだと言ってしまうと、定義にうるさい人などが出て来てややこしくなるので、「機能を失った」「分解した」などの表現を使うほうが無難な場面もあります。例えば、多くのウィルスの粒子は、乾燥してしまえば形態を維持することが困難になり、遺伝物質が露出して速やかに分解し、固有の機能を失ってしまいます(遺伝情報が壊れてしまうので)。
- ozunu
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機能を失った状態を「死」と呼んでも宜しいかと。
- 中京区 桑原町(@l4330)
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人間は死ぬか? 私(人間)は100年以内に必ず死にます。 でも人類は100年では死に絶えないでしょう。 一つのウィルスの死を考えてるのか?、ウィルスという種の死を考えてるのか? 明確にしてください
お礼
失礼しました。 ウィルスの個体です。種ではありません。
お礼
丁寧なご回答ありがとうございます。 「感染力を失う」事を「ウィルスの死」と定義する事は分かりやすい説明です。ウィルスについての基礎知識がないため、稚拙な質問になってしまったかも分かりません。すみませんでした。 インフルエンザウィルスがいつまでも潜在的感染力を維持することはない、という事がわかって安心しました。 ありがとうございました。