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東野圭吾「ゲームの名は誘拐」の結末を解説してください

最後の 「樹理と名乗っていた頃の千春が、おれのために作った料理を、トレイに載せて運んでいた。」 の部分が何が言いたいのか分かりません。教えてください。

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回答No.1

主人公は、いざというときのための保険として写真を残しておきました。作中では結構前に撮影していましたから、読者としては「あの写真か!」と思う場面ですね。なぜ写真を撮っておいたのかは、撮ったときはたんに一夜を共にした女性だから…というだけでなく、共犯者がいた証を残したかったのでしょうね。わざわざカードを抜き取り、上着ポケットに入れていましたし。つまり千春には見つかりたくなかったシロモノです。 写真の内容は、「親密な関係にある」と見た人に思わせるものです。女性が男性の部屋に上がり、料理を作っているのですから。 千春の妹樹理を殺した犯人に主人公をでっち上げるために、色々採取してましたし、車の傷のことからも、主人公に娘を殺された不幸な一家、の図式を世間に知らしめたかったのでしょう。 けれど写真は、(データなので撮った日にちと時間も分かる)、殺された樹理の妹である千春と、偽殺人犯の主人公の仲よさそうな関係が伺えるものです。怨恨がらみで樹理が殺されたなら、殺した子の妹と何気ない日々を送っていることにもなりますし、なによりあの写真が出回れば、「どういう関係か!?」とマスコミは騒ぎ立て、いずれ一家の真実にも気づく可能性があります。写真があることで、主人公は自分の身を守ったのです。データの複製があるかも、と思えば手を出せないのでは?(殺人犯の家を突き止め突入したところ、自殺しているのが発見された…なんてやりかねない親子ですし) 葛城父は、睡眠薬を飲ませ、死の恐怖を主人公に味合わせることで彼が何か隠し持っていないか知りたかった。主人公の才能、頭の良さに感心していましたから、何かあるだろうと確信していたのでしょうね。それが写真とは思わなかったようですが。 主人公はざっとおおまかに三つのゲームに参加させられました。誘拐ゲーム(いかに誘拐とみせかけるか)、身代金ゲーム(いかにして大金を無事手に入れるか)、殺人犯ゲーム(いかにして殺人犯を仕立て上げられるか)。仕組んだのは葛城、プレイヤーは主人公。 あの一文のメッセージは、『葛城親子にまんまと騙されゲームをさせられ、見事クリア(身代金ゲット)をし、しかも殺人犯に仕立て上げられようとされる主人公が、これまで通りの機転のよさを発揮して自分の身を守った』という解釈でいいのではないかなと思います。主人公は、ゲームを全てクリアしたわけですし。 私の解釈は以上です。他の方はどうおっしゃるのか、私も楽しみです

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