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水分が全くなかったらDNAは絶対に切れない?
私自身化学を専門としている者なのですが、恥を忍んで質問いたします。m(_ _)m 長いDNAは「物理的に」切れやすいということは知っています。 ところで「物理的に」切れると言っても、その実態はあくまで加水分解であり、その切り口の所では水と反応し、一方に-Hが付き、もう一方に-OHが付くという「化学」反応が起こっているものと理解していました。 まずこの理解は正しいでしょうか? もしこれが正しいとすれば、水分が全くない条件ではDNAはどんなに強い「物理的な」力を加えても切れないのでしょうか? ちなみに私は学生時代、DNAの溶液を作るためにカラカラに乾燥させた干物状のDNAを鋏で切った経験はあります。 結構切れにくいものだと感じたのを覚えています。手でちぎることはまずできませんでした。
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放射線の照射や熱(燃焼させる)でも切れますよ。 区切りの良いところで分子が切れることにこだわらないのであれば、 例えば刃物などの場合は加水分解するポイントでなくても切れる ことがあります。分子内の結合のどこかが結合していられないくらい 激しく振動すればよいのです。 例えばDNAでなくても、配列が揃った高分子(FRPやisotactic螺旋体など)は 方向によっては切れにくい向きがあります。重合する際にモノマー単位間が 脱水結合によって繋がるわけではないものもありますから、水分がなければ 分解しないということは絶対的ではありません。
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- Tacosan
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原理的には「X 線をあててラジカル開裂」とかできそうな気がする. 水中だとできたラジカルを水が攻撃して結果的に加水分解になりそう.
お礼
早速のご回答有難うございます。 なるほど、X線によりラジカル開裂ですか。 たしかに水(あるいはこれに代わる物質)が全くない状態で切れるとしたら、それくらいしか考えられないですね。 燐酸エステル結合が実際にラジカル開裂を起こすかどうかは別として、「ラジカル開裂」自体はまだ化学反応として説明可能です。 私の質問の仕方が良くなかったと思いますが、私はDNAに限らず、どんな物質であれ、「化学反応として説明できない切断」というのはあり得るのか?ということを知りたいと思います。 ご回答有難うございました。
お礼
明快なご回答、有難うございました。 >区切りの良いところで分子が切れることにこだわらないのであれば、 例えば刃物などの場合は加水分解するポイントでなくても切れる ことがあります。 まさにそのような「滅茶苦茶な」切断も起こり得るのか?ということが知りたかったのです。 >分子内の結合のどこかが結合していられないくらい激しく振動すればよいのです。 結合エネルギーを超える強いエネルギーを与えれば、普通は化学的に切れない所で切れることもあるのですね。 私の今までの考えでは、DNAが「物理的に切れる」場合でも、周囲の水分子と反応し、加水分解が起こるものと考えていました。 普通、DNAを使う実験では、(空気中で鋏で切るとしても)水分が全くないということはまずないので、私のような疑問をもつ人も滅多にいないと思います。(*^ω^*) 長い間誰にも聞けなかった疑問が解消し、これでスッキリしました。 ご回答有難うございました。