以前、出版社に勤めていたことがあり、採用も担当した経験があります。音楽関係の出版社ではありませんでしたが、私自身は学校で音楽を学びました。
社によって方針は違うと思いますが、経験からの私見を述べさせてください。
まず、音楽に限らず専門誌の編集者やスタッフには、最初からその専門分野について深い知識が求められるというわけではありません。まったく無いと困りますが、変に偏った知識をたくさん持っている人よりは、ニュートラルな人を選びたいと考えていました。
要するに、“マニアっぽい”人は敬遠されます。
そして何より大事なのは、文章力です。「まともな文章を書ける」能力は、何よりも必須なのです。
私が経験した範疇では、エディタースクールのような専門学校を出た人が採用に至るのは難しかったですね。テクニカルなことには長けているのですが、やはり論文を読むと「まともな文章」には程遠い傾向がありました。
編集者やライターを目指されるのであれば、何かに特に秀でるのではなく、バランスよい知識や技能を豊富に持ち、とにかくわかりやすい「まともな文章」が書けることが重要だと僕は考えます。
そのためには、専門学校だけではなく、文系の大学に進んで学ばれることも選択肢に入れられることを強くお勧めします。そういう大学を受験するために勉強することも、編集者・ライターの素養を築く基礎となるのです。
あとは、なるべくたくさんの本を読むことが大切ですね。音楽関係の本や雑誌だけでなく、名作や定番と呼ばれている古今東西の小説なども読んでおくべきです。
健闘を祈ります。