おもしろい質問ですねえ。
どうして、こんな質問をされるんですか?
宿題か何かですか?
私も教育に携わっているものですが、その立場から考えてみました。
検定制度が廃止されたら、様々な内容の教科書ができます。
最近でも、「新しい教科書を作る会」が中学校社会の教科書を出版して話題になりましたが、あのようなことが普通に起こります。
すると、学校サイドでは「どの教科書を選ぶか?」が即「どのような生徒を育てるか」に直結します。
現在の教科書の決め方は、あまり明確ではありません。
せいぜい、「こっちの方が見やすい」とか「たまには別のやつを使ってみよう」とか、その程度です(私があまりにも安直なのかもしれませんが)。
はっきり言って、どのように教えるかが一番のポイントなので、教科書はあくまでも参考程度に使うのです。
現在の公立学校では、学校ごとの特色はほとんど皆無です(特に中学は)。
高校においても、学力の差が特色みたいなもので、せいぜい野球が強いとか、文化祭にお金がかかっているとか、施設がすごいとか、その程度。(私立は違いますけどね)
その特色も、その学校にいらっしゃる先生方によって決まります。
いろいろな教科書があれば、まず各学校での教科書選定をじっくりと、真剣に、行うでしょう。
当然、「明確な学校の方針(どのような生徒を育てるか)」が今以上に重要です。
そして、そこに学校の特色を出そうと、各学校は躍起になるでしょう。
方針が決定すれば、当然教科書もその方針に沿ったものでなければなりません。
よって、今は各教科の先生だけで決定している教科書が、職員会議を通して最終的に校長が判断する性質のものになるでしょう。
とにかく、学校に於ける最も重要なファクターになるのです。
これは、ある意味メリットです。
なぜなら、各学校ごとの特徴を真剣に考えざるを得ないからです。
今の学校は、特色に欠けるところが多いのが現状です。
ですから、教科書検定が廃止になるということは、個人的にはおもしろそうだなあと思います。
ただ、教育界はこのような大胆な動きはなかなか産まれないので、現実的には起こりえない話だと思います。
デメリットとしては、教育の方向に統一性がなくなるおそれがあること。
要は「へんちくりんな教科書が出て、それが採用されて、それを生徒が学んで、日本の将来はどうなるんだ!」ということ。
多分、お上はそのような無秩序さをおそれると思いますが、変な教科書は淘汰されると思いますし、ある程度の秩序は保たれると思います。
現状では、今の検定制度の内容をもっと緩和した形で実施するのが、よいと思います。
長々と書いてしまいましたが、参考になれば幸いです。
お礼
検定制度を廃止すれば、学校ごとの特色が出てくる・・・面白い話ですね!それによって今以上に公立学校等が「生きて」くるなら、悪くないかもしれませんね。 デメリットの方も、もっともだと思います。枠が外れて一気に多種多様な教科書が流出するようになれば、全国的に教育水準の統一をはかるのが難しくなるでしょうね。 かなり参考になりました!本当にありがとうございます★