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シャフトの表面粗さの解釈について
OA機器の部品のシャフトを業者に依頼しました。 Φ10のシャフトで、両端Φ8に削りだしています。 Φ8部分の表面粗さが6-Sで▽▽▽と表記されています。 サーフテスターで検査したところRyで8以上の数字が出ましたので、不良扱いとして返品致しました。 業者側は修正に応じてくれたものの、Ryで測定した事について不満があり、○○○Sと表記されているものは全てRyで解釈するのはおかしいと言っています。 業者側の言い分はRaで0.8aで出ているのでいいのでは無いかという解釈で次回はその辺りを明確にしてくれないと困ると言ってきています。 こちらも専門家ではないので、上司の指示をあおぎ確認したところ○○○Sという表示は普通はRy(Rmax)で解釈すると言われました。 資料を見て見ると、Raは○○○a、Ryは○○○s、Rzは○○○zという表記になっているし、JISの機械要素を読んでもチンプンカンプンで全く解りません。 ○○○sという表記の解釈はどうすればいいのでしょうか?
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◇表面粗さの表現は難しい。 業者との表面粗さ議論は、確かに難しいです。 ○S表示は、Ryのμm表示と考えるようです。 (西○○先生もそのように表現されています。) つまり、ある測定長における最大の突起とヘコミ、 この凹凸差を縦方向の垂直方向にマイクロ メートル(μm)読みしたのが、○Sです。 この出所は 下記 理論上の表面粗さと切削の関係式が 古くから使われてるため、○S表記になっている訳です。 Rmax=f^2/8R Rmax;理論上の仕上粗さ( mm ) f:1回転当たりの送り量( mm/rev ) R:切削バイト刃先の半径 ( mm ) 例)回転数; 2000rpm, バイト送り;50mm/min ,ノーズR;0.01mm f= 50(mm/min)/2000(r/min) = 0.025 mm/rev Rmax= f^2/8R =(0.025*0.025)/(8*0.01) = 0.00781 (mm) = 7.81μm 従って 理論上の仕上粗さは 7.8S と言えます。 実物のチャートから表面粗さを読み取るには・・・ 例え チャートが斜めになっていても、 必ず、X-Yチャート方眼紙のY方向(垂直)に読みます この ○Sの表記は古く、▽表記も実はJISで改訂されています。 とは言え、慣例が今だある業界ですから、恐らくこの文句を 言った業者も古い方ではありませんでしょうか? さて、Ryは 測定中のノイズや振動によっても狂うため、 繰り返し測定による確認が重要です。 一方、Ra(中心線平均粗さ)は、触針の管理さえ確りすれば 表面状態の代表値として捉えることが出来ます。 反面、触針の先端半径形状を大きくすると Raを小さなり 見かけ上、良いデータになります。 また、ヒゲが存在しても Raの数値ではで捉え難いため、 分からないことがあります。 従いまして、表面形状は、どのような形状なのか? チャートに出力する。最後はこれに限ります。 要は、数値では表しきれない情報が満載されています。 ◇表面粗さはチャートが重要 測定チャートはどのような形状なのでしょうか? カットオフを入れると、見た目が変わりますので R+W モードにして実際の形状を描かせます。 (この場合、平行だしが重要です。) 横倍率は、切削の送り速度に依存しますので 業者へ聞くか、光学顕微鏡で確認して倍率決めます。 恐らく、H;50または200に設定すれば充分だと考えます。 横ばい率でも解釈のし易さが異なります。 << 実物確認 >> 1)段差形状マスター(試験片)は正確に測れますか? << 記録したチャート確認 >> 1)測定器が発振していませんか? 2)切削形状は周期的な形状になっていますか? 3)何か変な周期になっていませんか? ◇業者を納得させるには なぜ目的とする表面粗さが必要なのか?答える事が出来ますか? また、ヒゲがあればどのような不具合が予想されるか? 最低この2点を業者へ対して定性的に理屈を説明しなければ、恐らく 納得しないと考えます。 尚、切削技術はあっても ○S 表記理由を知らない加工業者も 存在しますので、注意必要です。 さて、本題ですが、例え Ra 0.8a 出ていても、表面状態の一つの 特性をあらわしているにすぎません。 回転体の場合にはヒゲや突起が 軸受に接触してそこから異常磨耗が発生する不具合が出るかもしれません。 または、WOW(ワウフラッタ)と呼ばれる回転バラツキの精度に影響 出るかも知れません。 さらに、粗さが粗いとシャフトを固定する際、圧入力不足が懸念されます。 等の理由を並べて、改善を願うしかありません。 最後に、Annasan が業者から加工条件を聞き出して、理論仕上粗さを 計算したあと、さらに表面粗さ計のチャートから表面粗さ(○S)を求めて 理屈とほぼ合っていることを説明されては如何でしょうか? そうすれば、Ry(Rmax)が入っていないことを、一応理屈で納得させる ことが出来ます。 一般的には、実測定の方が大きくなりますが、ビビリ加工をしていなければ 近い値が得られます。 それではご検討あれ・・・!
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- atoritaiti
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こんにちは 詳しい回答がすでに有るのでどうかとは思いましたが加工やの私感ですが回答を少し この問題は よく発注者、加工屋間でもめる事です 加工屋の言い分とすればJISではJIS B0601とB0031(1994)でRaを主流とするようになりましたので 「Raで」となりますが 設計者がうねり、傷を嫌った場合はそれらを測定値に入れられるRyを選択する場合があります 発注者はRy、加工屋はRaが有利といっても良いかと思います 簡単な換算の表などが有りますが実測値と比較すると 結構違いますので もめる元になっています 結論は設計者が面粗度表記の特性を理解して うねり、傷を嫌って○s表記にし 本当に必要なのかを問いただす必要があります ▽表記を併記しているところで 私は理解が?だと思います 「理由もなく図面通りしろ」 では加工屋は納得しません
お礼
ありがとうございます。 今日、シャフトが再納入されてきたのですが、Ryで4s程度、Raで計ると0.8a程度の数値が出ました。 返品前のシャフトが業者の自己申告で0.8ぐらいと云う事だったので、業者の自己申告も眉唾だったような気がします。 一度作っているシャフトでしたので、打ち合わせせず発注のみとなってしまったのもコミュニュケ不足だったと思い反省しています。 ▽表記と併記しているのは技術者の癖なのかもしれません・・・(なにぶんウチも回ってきた図面なので) シャフトと一緒に業者から送られてきた資料と見解によって「局部山頂の平均間隔 S」という事にまで発展してしまいました。少し面倒な事にはなりましたが、これをきっかけに表面粗さの事も勉強したいと思います。
お礼
詳しい回答をありがとうございました。 今日、業者から送ってきてくれたミツトヨの表面粗さの定義という資料のコピーを見たのですが、○○○sは本来、「局部山頂の平均間隔 S」で解釈するべきというコメントがつけられていました。(コメントは業者が書いたものです) その場合、Ryで解釈しないでやはりRaで解釈して欲しいとまた今日も電話でいわれました。しかし、他の業者に聞いてもRy以外普通は考えないと言っていました。 今回の部品は、図面がかなり古い物である事と、一度作っている品物であった事、業者との見積もりのやりとりを行った担当者が既に退職してしまった事から起きたトラブルです。 以前、違うシャフトでの表面粗さの時はピストンの部分であったので、すんなり応じてくれて、Ryの解釈も認めてくれたのですが、今回はイヤに食いついてこられてしまいました。 ただ、今回のシャフトの表面は切削跡というより表面がニキビの様になっていたので、これは表面粗さ以前の問題だという事で押し切りました。 ただ、表面粗さの件ではまだ業者を納得させる事は出来ませんでした。 いただいた回答を参考にじっくり業者と打ち合わせたいと思います。 ありがとうございました。