水素原子内の電子の動きについて
『岩波ジュニア科学講座〈1〉すがたを変える物質』という本に、水素原子に関する以下の記述があります。
「直径240mの球を考えてください。中心部分に直径1mmの球状の陽子があります。その動く範囲は、たかだか数cmです。一方電子も直径1mmの球ですが、こちらの方は直径240mの球の内部全体をくまなく走り回っています」
「原子の中の電子の動きはとらえにくく、あらわしにくいものですが、ここでは1s状態のときの電子の動きを直進軌道としてえがいてみましょう。電子と陽子の間の電気の力は、距離が近づけば近づくほど強く引き合います。電子は陽子に向かってまっすぐ進み、速度を増して、陽子の中を通り抜けます。そのときにだけ、電子は方向や速さを変え、こんどはまっすぐ陽子から離れていきます。そして速度を落としながら原子の端の方まで行って、また同じ直線上を陽子の方に加速されながら戻っていきます。こんな運動を1秒間に10の15乗回の何倍も繰り返しています。そして、この電子の動いたあとを積み重ねてみると、見た目にはタンポポの綿毛のような球になります。進行方向と速度に適当なゆらぎを与えると、実際の水素原子の電子密度とほぼ同じものが得られます。これが水素原子の1s状態の電子の動きの直進軌道モデルです」
一つ目の文章についての質問は、水素原子の直径を240mとしたとき、陽子と電子の直径は1mmとのことですが、陽子と電子の直径の長さは同じなのでしょうか?質量に関しては、本書の中で、「陽子は電子の1836倍」と書かれています。ならば、直径も電子の方がはるかに小さいのではないかと思うのですが、どうなのでしょうか?
そして、二つ目の文章についての質問は、電子の動きを直進軌道として説明していますが、これは正しい説明と言えるのでしょうか?
これまで、電子の動きについて、こういった説明を読んだことがないので、当惑しています。原子核の周りを電子が回っているという古典モデルの説明はよく読みますが、「陽子の中を通り抜ける」なんて説明は初めてです。
ちなみに、この本は三人の共著なんですが、質問で取り上げた部分を書いている人は、電気通信大学の中川直哉という人です。
また、この本は、内容はけっこう本格的なんですが、「~はあるかとおかあさんに聞いてみてください」という文章が出てきたり、ひらがたが多用されていたりと、子供向けって感じです。なので、子供向けに簡略化しているのかとも思ったのですが、たとえ簡略化であったとしても、このような説明に出会ったのは初めてなので、とても当惑しています。
よろしくお願いします。
補足
平坦な時空中では寿命はどのぐらいの値になるのでしょうか?