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フェノールの性質
ナトリウムフェノキシドの水溶液に二酸化炭素を通じると、フェノールが遊離する。これはフェノールが炭酸よりもよわい酸であるためである。 って参考書に書いてあるんですが、何でフェノールが炭酸よりも弱い酸だとフェノールが遊離するんですか?おしえてください。
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そもそもの話として、酸の強弱とは何かという視点をもって下さい。 つまり、「ある酸」と「別の酸の塩」を加えた時に、「ある酸の塩」と「別の酸」に変化するようであれば「ある酸」の方が強い酸であると「考える」ということです。 言い方を変えれば、「フェノールが炭酸よりも弱い酸だとフェノールが遊離する」のではなく、そうした状況で「フェノールが遊離するから、フェノールは炭酸よりも弱い酸である」というのが本来の考え方です。つまり、ご質問のような考え方は本末転倒と言えると思います。 ちなみに、考え方として、強い酸というのはH+を与える能力が高いと言うことです。 ご質問の例では、炭酸水素イオン(HCO3-)とフェノキシドイオン(C6H5O-)があり、そこに1個だけH+があるとした場合に、それがどちらにつくかということです。上述のように強酸はH+を与える能力が高いので、HCO3-がH+を受け取ってH2CO3になるよりも、C6H5O-がH+を受け取ってC6H5OHとなる方が起こりやすくなります。すなわち、H2CO3の方がH+を与える能力が高いので、C6H5O-がH+を「受け取らされてしまう」ことになります。 ただし、これは考え方としては本末転倒と言えます。
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- maki5784
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No.1の回答と通りですが。考え方をいいますと、化学反応はすべからく男女の関係で教えられました。あまり魅力は無かったが他にだれもいなかったので仕方なしにフェノールと引っ付いていたが、より魅力のある(酸性の強い)炭酸ガスが来たので乗り換えたまでです。 弱い=反応性は低い。 強い=反応性が高い。
>フェノールが炭酸よりも弱い酸だとフェノールが遊離する 全ては「平衡」です。 炭酸の第一解離定数 Ka1(H2CO3)=[H+][HCO3^-1]/[H2CO3] フェノールの解離定数 Ka(PhOH)=[H+][PhO^-]/[PhOH] で、炭酸がフェノールより強い酸だという事は、 Ka1(H2CO3)>Ka(PhOH) (注、 pKa1(H2CO3)<pKa(PhOH)、なのは分りますね。pKaになるとき符号が逆転するからです) になりますから、 [H+][HCO3^-1]/[H2CO3]>[H+][PhO^-]/[PhOH] 水素イオン濃度は同じなので両辺を[H+]で除します、水素イオン濃度は負にはならないので不等号の方向は変わりません、 [HCO3^-1]/[H2CO3]>[PhO^-]/[PhOH] つまり、解離した炭酸と解離しない炭酸の比の方が解離したフェノール(つまりフェノキシドイオン)と解離しないフェノールの比より大きい。 つまり、炭酸を加えると炭酸が解離しフェノキシドイオンはフェノールになると言う事です。 なおフェノールのpKa=9.95、炭酸のpKa1=6.37なので [H+][HCO3^-1]/[H2CO3]=10^(-6.37) [H+][PhO^-]/[PhOH]=10^(-9.95) 同じ水素イオン濃度で比較すると、炭酸の方が、 10^(-6.37)/10^(-9.95)=10^(3.58)≒3800 (倍) イオン化し易いことになります。 実際には、これに炭酸濃度、フェノール濃度が関わってきますので、3800倍はただの目安です。
お礼
あ、分かりました!分かりやすいご解説ありがとうございます。