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マクローリン展開と、積率母関数
たしか高校でも習う、微積分のマクローリン展開の式と、 積率母関数(m.g.f.)(n回微分して、変数をゼロと置くと、原点まわりのn次の積率になるもの)の式とが、 まるで、そっくりですが、なぜでしょうか? この両者は、同じものなのですか? 解析も確率・統計も、まるで自己流の独学なので、 何だか、数学の神秘を感じて驚いております。
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マクローリン展開は、関数が与えられたとき、その関数をべき級数で表す式でした。 積率母関数は、変数をθで表すと M(θ)=E[exp(θx)] と定義されています。expのマクローリン展開を用いると =1+m1θ+m2θ^2/2!+… の形に表され、このとき係数mkはk次の積率に一致するというものでした。マクローリン展開の特別の場合といってしまえばそれまでですが、こういうものを考えたのには、それなりの理由があります。 確率の応用では、平均や分散などの積率を求めることが必要です。積率を個別の式で表してみても見通しが悪いので、適当な関数を使って一個の式で表してしまおう、というのが積率母関数です。このアイデアはラプラスが考案しました。 積率母関数では、関数の値ではなく式の形に注目します。また、原点の周りでの展開ができさえすればよく、関数の値や収束半径は通常、問題にされません。一方、解析学ではマクローリン展開は関数の近似に使われていましたから、その辺の意味合いというか、用途が違っているような気がします。 ついでにいうと、積率母関数が決まらない確率分布もあるので、代わりに、特性関数 φ(θ)=E[exp(iθx)] (i=√(-1)) を用いることもあります。これは、解析学でいうフーリエ変換にあたります。
お礼
>マクローリン展開の特別の場合 ・・・う~ん、なるほど。指数関数のマクローリン展開を、 平均(原点まわりの1次の積率)・分散(平均値まわりの2次の積率)を求めるために使ったのですね? 3次以上の積率は、私にはイメージできませんが、歪み・尖りetc.でしょうか?確率変数を、わざわざ二乗して分散を作るのは、正の値にするためだと聞きました。 4次の積率は、きっとそうして使われているのか?と思います。 考えてみれば、独立な確率変数の 和の分布が、m.g.f.の積になるのも、指数関数だから当り前ですね。 う~ん・・・、ナゾが解けてみると、あっけらかんとして、 疑問は解消したのですが、ワクワク感も消えて、うう~んという感じです。(確率と解析の、ひも理論のような合体かと思っていました) ありがとうございました。感謝しております。 複素数を、まるで理解していないので、ずっと前から買おうと思っていた、小寺平治「明解演習 線形代数」を、楽しみながら読もうと思います。 ずっと悩んでいる数学の疑問が、いくつかありますので、 またぜひ、ご教示いただければ幸甚です。