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小学校の教科書の絵画紹介
教科書に紹介されている絵画は概して その画家の代表的ではない作品が多いと 思いました。 僕の教科書(30年前)では クールベは「石割」でした。 今の小学校の教科書で「オルナンの埋葬」が紹介された教科書は ありますか? 極端に革新的、思想的な作品は紹介しないのでしょうか。
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子供にあんまり難しい作品を見せたってしょうがないからでしょう。 別に美術史を学んでいるわけでもなし、美術に親しませる、 というのが第一の目的でしょうから。 故に、近づきやすい作品が選ばれると・・ 私の場合を思い出してみると、エル・グレコの「受胎告知」(大原美術館)、 クールベの「波」(国立西洋美術館)、 ピカソの「女軽業師」(ブリジストン美術館)などがありましたね。 何れも傑作でも代表作でもありませんが、日本にある作品ということで選ばれたのでしょう。 因みに「石割人夫」は優れて思想的・画期的な作品ですよ。 私見では「オルナンの埋葬」以上に。1850年にサロンに提出されたようですから、 「オルナン」と同年か1年早いようです。 言うまでなく、当時の世俗画の主題というのは、 上流・中流階級の肖像や生活の一齣だったわけですが、 この絵の主題は、肉体労働者という社会の下層民の、しかも労働の最中という、 およそ絵画的な情景とは程遠いものです。 「オルナン」は、死者の埋葬という、まだしも記念的なイベントです。 下層民というのは、それ以前にも描かれていますが、概してキリスト教的な文脈か、 ロマン主義の立場から描かれていますね。 寓意も象徴もない、ただ眼前に存在していたものを存在するままに描くという、 クールベの思想の真骨頂がここにある、と私は考えます。 まあ、この社会の下層民を描いた背後には、当時、 擡頭していた社会主義の影響もあるようですが、こちらの方はよくわかりせん。 (クールベはピエール・ジョゼフ・プルードンとお友達) http://www.cafeguerbois.com/courbet10.htm
お礼
詳しい解説有り難うございました。 子供に思想性の強い作品は良くないという事は 分かります。西洋絵画にはこういった画家や作品が あるというさわりの部分ですね。 それなら印象派やキュビズム作品などは なかなか難しいと思いました。 有り難うございました。