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前後のトレッド幅について。

普通、車のトレッド幅は前輪が後輪に比べて広くなっていますよねぇ。 それで前項輪とも面位置にしたくて同じ幅のスペーサーを使うとどうしても後輪が内に入り気味で格好悪いのですが、前項輪のトレッド幅を同じにすると何か影響はありますか? 特に4駆は前後トレッド幅に差がありますが、いったいトレッド幅とは何に影響するのでしょう。結構攻めた走りもするので、走りについての影響がどんなものか気になります。

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noname#12265
noname#12265
回答No.3

 あ、はい、ども、専門家です (^^;)  トレッドは、ハンドリングにダイレクトに影響しますが、実は市販車の場合、スタイリングで決定している場合もあります。トレッドをヤミクモに広げると、チェーンクリアランスが無くなってしまったり、サスのフルボトムでタイヤがボディ(の裏側)と接触する事も考えられますので、その点は注意が必要です。  さて、トレッドとハンドリングの関係ですが(ワタシはサスペンションとハンドリングが専門です)、トレッドを広げると、左右方向の荷重移動量が少なくなり、空気入りタイヤの特性上、左右輪の摩擦力の総和が大きくなります。  これがナニを意味するか、と申しますと、カンタンに解釈するとトレッドを広げた方がカーブを曲がる時の遠心力に耐えるチカラの大きさが大きくなるという事です。  特にフロントサスをワイド化した場合、車両の動きがよりクイックになる、直進安定性が悪くなる、などの変化が起こります。勿論、トレッドを狭めるとこの逆、よりダルになる、直進安定性が向上する、などです。  ちなみに、フロントトレッドをホイールオフセットだけで変えると必ずハンドル手応え感が変わりますが、ノーマルの値からトレッドを広くしても狭くしてもだいたい悪化するので注意が必要です。  で、リヤのトレッドがナゼ狭いか?の点ですが、通常の市販車では、例え静的に50:50の重量配分でも、旋回時の荷重移動量は、操舵による走行抵抗の増加やフロントまわりとリヤまわりのロールの硬さ(ロール剛性と言います)の違いなどにより、フロントの方が大きくなりがちです。これでは勿論アンダ・ステア(US)が強くなってしまいますが、そこで、このUSを弱める為に、リヤサスの限界を少し落としてやる必要があるワケです。  よって、リヤトレッドだけを広げる行為は、力学的にはUSを強める方向となりますが(一方直進性は向上しますが)、但し、これが全て悪いかとゆぅとそぅでもありません。  御質問の方はそれなりにハードに走られる方の様ですので、運転しやすいかどぅかは置いといて、とりあえず速いか遅いかで判断しますと、USが強い事が必ずしも遅いとは限りません。多くの方が思い違いをされていますが、クルマが速い/遅いは旋回しやすさだけでは決まらず、速く走る為にはまず1mでも前に出る性能が必要になります。実際、流体力学的に幼稚でタイヤもプアな'75~'76年頃までのF1では、コーナからの脱出加速でタイムを縮めなければならない為、リヤトレッドが極端に広く異常にテールヘビーな強USレイアウトとなっています(タミヤのプラモで観察出来ます。リヤウイングステイにオイルタンクとオイルクーラーを内臓したロータス72や、リヤトレッドに対して極端にフロントトレッドが狭いブラバムBT44Bなど、今日のF1ではまず考えられません)。  この点、旋回しやすくチューニングされたマシンでは、前に出る性能(トラクション)が犠牲になっている場合が見受けられます。すばらしく曲がりやすいが、踏んでも踏んでも加速せずにイライラしているハチロクオーナーの方は、結構多いのでは無いでしょうか?  御質問の様子では、恐らくリヤトレッドを拡大する、と言ってもせいぜい10~20mm程度ではないでしょうか?これがどの程度ハンドリングに影響するかは、駆動方式にもよりますし、実際にやってみなければ判りません(フロントに比べ、リヤトレッドの拡大は判りにくい、と言う事もあります)。自分の経験ではさすがに15mmも拡大すると差が判りますが、これはテストドライバレベルの話ですし(上級のテストドライバでは10mm以下の差でも感知します)、ご本人が気になさるかどぅか?も重要な要素です。  尚、サスペンションは、実はエンジンのチューニングよりずっと危険な状態になりやすい要素を内包しており、運動力学的な検討を加えずにヤミクモにイジるのはお勧め出来ません(この点、ホイールベースとの兼ね合いやLSDへの負担等、トータルバランスを訴えられている他の方の御回答は、さすがgoo回答者となるほどの方、と申せましょう)が、この程度のトレッド拡大なら、クルマの限界特性をある程度以上把握されている方であればそれほど危険な事にはならないでしょう。  長くなりましたが、左右荷重移動量の話が出たところでついでに。  左右荷重移動量を増やすと旋回の限界が下がる事はご説明いたしましたが、シャシばねを固めてロール剛性を上げると、過渡的には左右荷重移動量が増加し、見かけ上、旋回限界が下がります。これは多くの方が思い違いをされており、意外な話かもしれませんが、物理的な法則ですのでサスのチューニングやタイヤの選択では越えられません。レーシングカーのばねがヤミクモに硬いのは空力的付加物(ウイングなど)によるダウンフォースが大きいからで、ダウンフォースがほとんど期待出来ないロードカーには当てはまりません。  日本車では考えられない様な超高速を日常的に出さなければならない欧州車(ドイツ車に限らず、欧州車は旅行等でアウトバーンを走る可能性を考慮しなければなりません)のサスは、VWやオペルなどは勿論ポルシェやロータスでさえ意外なほどタップリとロールしますが、このシャシばねのヤワさはこんな事情からも来ています。

naock709
質問者

お礼

すごい!!さすが専門家ですね。 自分が知りたかった内容を思いっきり突き抜いてます。 本当に細かいところまで詳しく教えて頂き、有り難う御座いました。とても参考になりました。 それにしてもセッティングは奥が深いのですね。また分からないことがあったらお願いします。

その他の回答 (2)

  • LITHRONE
  • ベストアンサー率29% (37/125)
回答No.2

 一般的に、フロントのトレッドを広くするとオーバーステア傾向(ステアリングの切り角より曲がる、スピンしやすい)になります。リアのトレッドを広げたり、フロントのトレッドを狭くすると、アンダーステア傾向(ステアリングの切り角より曲がらない、コーナーで飛び出しやすい)になります。リアのトレッドを狭くすると、オーバーステアからリバーステアとなります。 さらに、ホイールベースとの兼ね合いや、アライメントの角度ともからんでくるので、あまり派手にいじらない方がいいです。アライメントについては、URLを参考にして下さい。 まあ、フェンダーとツライチにするぐらいでしたら、そんなに影響は無いと思いますが.....。専門家の方の回答を待ちましょう。(他力本願モード)

参考URL:
http://www.sunshine.ne.jp/~arai/taiyakiso/araimento.html
noname#1001
noname#1001
回答No.1

トレッドを広げると、相対的にホイールベースが短くなる、ということですよね。 つまり、直進安定性よりも旋回性能のほうにメリットがあるという事なんじゃないでしょうか。ま、厳密にいえばトータルバランスが崩れて両方にメリットは薄くなるのでしょうが。 また、旋回時には内輪差外輪差が大きくなりますから、デフの負担が大きくなりますね。デフをLSD等にして機能を制限している場合には、より挙動がトリッキーになるものと思われます。 サスペンションの支点からの距離も長くなりますので、負担が増えてサスの応答性も落ちるかもしれません。 あと、前輪トレッドが後輪にくらべて大きいのは、主にコーナリング時の安定感、というか踏ん張りを考えての事じゃないでしょうか。狭い方がシャープに応答すると思うのですが、万人の安全を考えて、シャープで神経質なハンドリングよりもダルで安定感のあるセッティング、という事なんじゃないかな、と思います。 以上、まったくの憶測です。信用し過ぎてはいけません。詳しい方の回答を待ちましょう!

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