通常、「科学的」か「非科学的」かが問題になるのは自然科学の分野ですので、
とりあえず、この点に絞ってしまってよいでしょうか。
古くから、人文科学や社会科学を「科学(science)」と呼んで良いのか、
という議論もあり、ここに立ち入ると話が広がりすぎてしまいますので。
他の方々とかぶる部分もありますが、
「非科学的」であるとは、要するに科学的でない、という意味です。
そして「科学的」知識というためには、
一般に、
1)合理的かつ再現可能な実験、観察、調査(科学的方法)の結果に基づき、
2)合理性のある理論(科学的理論)が構築されていること
が求められます。
例えば、特定の人が行った時にしかうまくいかない観測(非科学的方法)の結果や、
不合理であったり矛盾のある理論(非科学的理論)に基づく知識などは、
科学的知見とは呼ばれません。
さて、世間で「非科学的」な知識と呼ばれるとき、多くは、
1)充分かつ客観的なデータに基づいていない、あるいはそもそもデータ自体が存在しない
2)現象を説明する理論に無理や矛盾がある、あるいはそもそも理論自体がつくられていない
のどちらか、または両方の要素があると思います。
とはいえ、天文学の知識など、「再現」不能なものもいろいろあるので、完全な定義ではありません。
ですので、上記はあくまで一般論ですが。
また、しばしば誤解のあることですが、もう一つ注意の必要な点として、
「(非)科学的」という言葉は、知識、理論、推論、手法、態度などに対して使う言葉であり、
現象や事実そのものに対しては本来使い得ない言葉だということがあります。
例えば、「お化けは非科学的な存在だ」と言われることがあります。
「お化けが存在する」という知識は(今のところ)非科学に分類されていますし、
「私がお化けを見たんだからお化けはいる」という短絡的な結論が非科学的であるのは確かですが、
「お化け」そのものは科学的であるとも非科学的であるとも言えません。
(科学的に「存在」または「不存在」を証明できたなら、どうか分かりませんが……)
例えば逆に「人間は科学的な存在だ」と言ったところで、意味不明ではないでしょうか。
言ってみれば「クジラは野菜か果物か」と問うているようなもので、
当てはめようとするカテゴリーがそもそも間違っているため、しばしばおかしな議論になってしまうことがあります。
お礼
>「非科学的」であるとは、要するに科学的でない、という意味です。 そうですね。そう考えればシンプルで分かりやすいですね。 しかし科学的であるというのもずいぶん大変な作業ですね。 ご回答ありがとうございました。