民法は,財産上及び身分上の関係についての一般法として,原則として誰にでも適用されます。
しかし,一般法ですから,特別法が定められている場合は,そちらの規律に従います。これは,民民でも同じですが,広い意味の民法は,民民で適用される,そのような特別法(商法,会社法,借地借家法等)も含んでいます。
民と官の関係では,国家賠償法(民法の不法行為の特則)や会計法(債権債務の時効についての特則などがある),土地収用法(所有者の意思表示によらず,物権変動を発生させる)など,多くの行政関係法規で官民関係については民法の規律とは別の規律を設けていますので,その部分については,民法は適用されないことになります。
もっとも,特別法により上書きして定められている以外の内容や,特別法が及ばないケースにおいては,一般法である民法が適用されます(例えば,国の債務不履行による損害賠償債務の時効は,会計法の規定にかかわらず,民法の消滅時効が適用される)ので,「適用されない」というのは,間違いです。