ANo.3です。
間違いが少ないNHKがなんで間違えたんだろうか、その辺を想像してみました。
これはやはり、文部省のお達し「現代仮名遣い」の5-(2)の「なお書き」のところがスッキリしていないからだと思います。
(1)大原則は「じ、ず」を使う。
(2)次に、もともと「ち、つ」であったものが、同音の連呼(例:ちぢみ(縮))や二語の連合(例:はなぢ(鼻+血))よって濁る場合は、「ぢ、づ」とする。
ここまでは、よろしいと思います。
ところが、その次の「なお書き」↓があるためにややこしくなってしまうんです。
「現代仮名遣い」の5-(2)より
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なお,次のような語については,現代語の意識では一般に二語に分解しにくいもの等として,それぞれ「じ」「ず」を用いて書くことを本則とし,「せかいぢゅう」「いなづま」のように「ぢ」「づ」を用いて書くこともできるものとする。
例 せかいじゅう(世界中)
いなずま(稲妻) かたず(固唾*) きずな(絆*) さかずき(杯) ときわず ほおずき みみずく
うなずく おとずれる(訪) かしずく つまずく ぬかずく ひざまずく
あせみずく くんずほぐれつ さしずめ でずっぱり なかんずく
うでずく くろずくめ ひとりずつ
ゆうずう(融通)
[注意] 次のような語の中の「じ」「ず」は,漢字の音読みでもともと濁っているものであって,上記(1) ,(2)のいずれにもあたらず,「じ」「ず」を用いて書く。
例 じめん(地面) ぬのじ(布地)
ずが(図画) りゃくず(略図)
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「世界中」は「世界」と「中」に分けられることは、小学生でも知っています。その他のものも、普通の常識人ならば、もともとは「ち、つ」であったということを知っているか、少なくとも想像くらいはできると思います(「注意書き」のところも、漢音の「ち(地)」、「と(図)」の関連から「ぢ」「づ」のほうがわかりやすいでしょう)。
それを「なお書き」の本則は「じ、ず」としたために、こんがらがってしまったのだと思います。
もともとは「ち、つ」であっても「世界中(せかいじゅう)」などのように、本則は大抵「じ、ず」だ、 だから、「行き辛い」も「行きずらい」と・・・と早合点してしまう人がいても不思議ではありません。
NHKのミスは現場の単なるケアレスミスだと思いますが、鼻血は「はなぢ」だ、ただし世界中は「せかいじゅう」・・・こういうのを全部覚えこむのは大変です。
その言葉のできた経緯を考えて仮名遣いをする、という本筋を通す方がわかりやすかったと思います。
お礼
2回もご回答頂き、ありがとうございます。 大変良く分かりました。 お礼が遅くなりました事、お詫び致します。