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領土とは?実効支配とは?

 国際法上、領土として疑念なく認められるもの、いくつかの法解釈があってグレーゾーンとなっているもの、如何なる法理論でも全く領土としては認められないものについて、純粋に法としての立場から見た場合の解説をお願いします。  同様に、実効支配についても教えていただければ幸いです。  法理論と現実論のギャップの整合性について、補足質問させていただくこともあるかと思います。宜しくお願いします。

みんなの回答

回答No.1

領土とは、他国を排除し排他的に主権を行使できる空間を指します。領域主権ともいいます。領域主権を確立するためには、その法的根拠が必要となります。これが権原とか領域権原とか言われるものです。権原として以下のものがあります。 ・征服:軍事占領し、自国領との宣言を行う。(WW1以降は不法) ・先占:無主地(他国が権原を取得してない土地)を最初に実効支配する。 ・平和的・継続的な実効支配:他国から抗議されることなく長期間実効支配する。(無主地でなくてもok。パルマスの判例では時効取得としている) ・割譲:既に権原を取得している国の同意をもって主権が移転される。(条約の形式で行われることが多い) 19世紀前までは欧米国家が(欧米国家にとって)新たな土地の「発見」により権原が取得されたものとみなされました。その後、発見は未成熟な権原とされ、実効的な占有をがなければ権原取得とみなされなくなりました。また、一度権原を取得したとしてもその権利の継続にも実効支配が求められるようになってます。結局のところ現在のICJの判例では「実効支配の有無」と「条約の解釈(割譲)」が決定要因となってます。 次に実効支配ですが行政、司法、立法の権限の発現です。有人の土地では地方行政機関の設置等が該当しますが、定住に向かない土地や島では、そこまでの要求はなされません。これまで実効支配の証拠として認められたものとして、公的機関による国旗の掲揚や標識の設置、井戸掘りに対する行政機関の許可、海亀の卵採取活動に対する行政機関の許可、役人の上陸、軍事通信施設の設置、港湾施設への船籍登録、固定資産税の徴収、当該地で発生した犯罪への裁判の実施等があります。また、以下の場合は実効支配していたとしても無効となり、裁判では考慮されません。 ・決定的期日(主権をめぐる紛争が発生した日)以降の支配 ・個人の活動(公的機関がライセンスされている場合はok) なお、ウティ・ポッシデティスはその原則自体が行政区域を前提としており、軍事的な管轄範囲による原則ではありません。 ↓ブリタニカの解説 * international law ( in international law: Territory ) ...existing countries, it is presumed that the frontiers of the new states will conform to the boundaries of prior internal administrative divisions. This doctrine, known as uti possidetis (Latin: “as you possess”), was established to ensure the stability of newly independent states whose colonial boundaries were often drawn arbitrarily.

sudacyu
質問者

お礼

 基本にかえって、確認したく思います。 1.国際法は、ジュネーヴ条約や国連海洋法のような成文法と、回答者様が取り上げておられるウティ・ポッシデティスの原則などの慣習法から成り立っているということ、慣習法については多くの国が守ることで、徐々に法律として効力を発揮していくものと解釈していますが、よろしいでしょうか。 2.ウティ・ポッシデティスの原則は、ヨーロッパ諸国の植民地が独立する過程で確立されたものであるならば、国際法化したのは第二次戦後だと思われますが、それで正しいでしょうか。  それとも第一次大戦後には、確立されていたものなのでしょうか。 3.戦時国際法は、成文法と慣習法で成り立っていると考えています。 特に慣習法で成り立っている部分では、それぞれの国家による我田引水的な解釈がなされる余地があると思っています。  一例として、アメリカの『テロとの戦争』という概念は、今までになかったものと思います。  テロの取り締まりは、本来それぞれの国家が国内のテロ犯罪を警察権をつかって取り締まるもので、他国が関与するとしてもその当事国の了解のもとに行われる以外はあり得ないことだったと思います。  相手国の了解なしに、国家権力の発動としての軍事力を、他国の領土内に展開するには、「戦時国際法」を適用するしかないので、『テロとの戦争』という新しい解釈で、「戦時国際法」を拡張・拡大解釈したとの理解でよいでしょうか。  上記三点について、解説・間違いの指摘などしていただければ、ありがたいです。  

sudacyu
質問者

補足

 PCがダウンしてしまい、修理・再設定などで手間取ってしまいました。回答への返事がすぐにできず、申し訳ありませんでした。深くお詫びいたします。  まだ、少し時間がかかりそうですが、関連した補足質問に回答いただければ幸いです。

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