はじめまして。
ご質問1:
<「雨が降ろうとしている」と「雨が降りそう」とは同じ意味を持っていますか。>
少し違います。
1.「雨が降ろうとしている」:
(1)「~しようとしている」という表現から、近接未来を表しています。
(2)意味は「今にも雨が降る」「もうすぐ雨が降る」という、近い将来ほぼ100%の確立で起こることを表します。
2.「雨が降りそう」:
(1)「そう」は漢字で「相」と書きます。
(2)つまり、「外見上の様子」を表します。
(3)そのような様子に言及しますが、動詞ではありませんから、近接未来の用法とはことなります。
(4)つまり「雨が降りそう」だけでは、100%雨が降るとは言い切れないのです。例えば、1日中雨が降りそうな天気だけれど雨は結局ふらない、ということもありうるのです。
3.両者の違いは、「~しようとしている」という動作を表す動詞と、「~しそうだ」という状態を表す形容動詞(名詞+断定の助動詞)の違いにあります。
つまり、動詞であれば、「降る」という動作が近く起こることを示しますが、形容動詞であれば、「降りそう」という状態のみに言及するため、「降る」という動作は確定できないのです。
4.勿論、「降りそう」の語法でも雨が実際に降ることはありえます。ただ、「降ろうとしている」の方が可能性が高く感じられるのです。
5.特に、「雨が降ろうとしている」は、無生物主語である「雨」に意志があるかのような「擬人法」の修辞技法がとられているため、一種の強調用法から、「降る」という行為が実現する可能性が高まるのです。
以上ご参考までに。