こんにちは。
まず,給与所得の場合の副業の所得税の課税の流れと,副業が見つかるかどうかについて,仕組を書いて見ます。
(1)副業の所得税
◇源泉徴収義務者
・給与支払者(勤務先ですね)は,ごく例外を除いて,給与などを支払った際には源泉徴収(所得税給与天引き)の義務があります。こういう給与支払者のことを「源泉徴収義務者」といいます。
例外とは「常時2人以下の家事使用人のみに対して給与の支払いをする個人」です。
◇年末調整
・給与所得者(短期雇用者やアルバイトの方も含みます)は,「年末調整」で所得税の計算をしますから,「年末調整」を受けられない方や,「確定申告」申告でしか受けられない控除についてのみ「確定申告」が出来ます。
・年末調整の対象者は,簡単に書きますと,
(1)年間を通じて勤務している方
(2)年の途中で退職し12月の給与の支払をうけた方
(3)年の途中で就職し,年末まで勤務している方
のいずれかの方で,「年末調整」をしてもらわれる勤務先に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している方です。
◇給与所得者で「確定申告」をする必要がある方(もしくは,出来る方)
○しなければならない方(またはできる方)
(4)給与の年間収入金額が2,000万円を超える方
(5)1か所から給与の支払を受けている人で,給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える方
(6)2か所以上から給与の支払を受けている人で,主たる給与以外の給与の収入金額と給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える方
(2)副業は見つかるのか?
アルバイト先が「源泉徴収」をされると,次のとおりの事務が行われます。
◇「源泉徴収票」と「給与支払報告書」(または「支払調書」)
給与支払い者(アルバイト先)は,支払い内容を「源泉徴収票」に記載して受給者全員に交付しなければなりません。この「源泉徴収票」は,「給与支払報告書」と4部複写になっています。
上2枚が「給与支払報告書(市区町村提出用)」で,下2枚は「源泉徴収票(本人交付用と税務署提出用)」です。
◇「源泉徴収票」の提出先
「源泉徴収票」は,支払いを受けた者に1枚が交付され,残り1枚が税務署に提出されます。
ただし,一定要件に該当する人(収入が500万円を超える方など)以外は提出されません。
◇「給与支払報告書」の提出先
「給与支払報告書」は2枚とも質問者さんのお住まいの市区町村に提出されます。これに基づき住民税の計算がされますので,全員について提出されます。
2箇所から収入のある方は,市区町村で合算して税金の計算をすることになります。
◇住民税の通知
・市区町村は,質問者さんの本業の収入と,アルバイトでの収入を合計して住民税を計算し,本業のお勤め先にあなたの住民税の税額を通知します。
通知書は同じものが2部送られてきますので,1部はご本人に渡されます。毎年,6月に横長の住民税の通知書を受け取られていると思いますが,それです。そして,お勤め先は,その通知書を元に,毎月給与から住民税を天引き(「特別徴収」といいます)します。
税額の通知書には,その元になった収入の額などが書かれています。
・つまり,お勤め先の給与担当者が,住民税の計算の元になっている収入が,お勤め先で支払った金額より多くなっていることに気が付くかどうかというお話になります。
気が付かれると,市区町村に「間違っていませんか」と問合せ,市区町村が「他にも収入の報告が来ていますよ」といわれて分かる…。これが,副業が分かってしまうケースです。
上記のとおり,必ず分かるものではありませんので,「運」といえます。
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以上を前提にご質問についてですが,
(1)本業では確定申告・年末調整とも会社でしてもらっています。
・年末調整は勤務先でしますが,確定申告は本人が税務署でしますので,勤務先がすることはできないです。
何かの間違いではないでしょうか?
(2)バイトの方はどうなるのか分かりません。
扶養控除の用紙は提出していません。名簿には私以外のバイトの子たちは“甲”となっていて、私は“乙”となっています。副業であることを意味していますか?
・「扶養控除の用紙」(給与所得者の扶養控除等申告書)を提出されない場合は「乙欄」適用になります。
同時に二箇所以上で働かれている場合は,「扶養控除の用紙」は主たる勤務先にしか提出できませんから,副業での勤務先へは提出できません。ですから,「乙欄」適用の方は副業であることが多いです。
・また,「扶養控除の用紙」を提出されていない場合は,その勤務先では確定申告が受けられません。
(3)副業の支給明細には、所得税のみ少し引かれています。(支給額3万ほどで所得税千円ほど)
・「乙欄」適用の場合は,金額の多少にかかわらず必ず源泉徴収がされます。
(4)本業に副業がバレにくくする方法として、確定申告時に住民税を“普通徴収”にするとのことですが、この意味がいまいちわかりません。。すみませんが教えて頂ければ有り難いです。
・通常,勤務先で住民税を天引きで納めることを「特別徴収」といいます。
一方,自分で直接金融機関などで納税することを「普通徴収」といいます。
・つまり,本業と副業の納付方法を分ければ,ばれないのではないかと言うことです。
副業の月収が4万円と言うことは,年額で20万円を超えますので確定申告が必要になりますが,確定申告された収入に対する住民税については「特別徴収」にするか「普通徴収」にするかを選ぶことができます。
ということで,「特別徴収」にしておかれると,本業分の住民税と一緒に徴収(天引き)されるので会社にばれるリスクがあるが,「普通徴収」にされると,会社に通知が行かないのでばれないと言うことです。
・ただし,この制度を活用(?)するためには,副業が「給与所得」でない必要があります。つまり,普通に給与としてもらわれている副業については,確定申告で「普通徴収」は選べません。
つまり,副業が「報酬」や「一時所得」など,「給与所得」でない必要があります。
>これは副業の確定申告を自分でし、その際役所に提出する用紙か何かでその欄にチェックをするということでしょうか?
・そういうことです。
>本業も自分で確定申告をしなければ意味がないということでしょうか??
・いえ。本業は年末調整を受けられて,源泉徴収票をもらわれ,それと副業でもらわれる源泉徴収票で,税務署に確定申告することになります。
つまり,年末調整と確定申告の両方をすることになります。
>副業の年調・確定申告も副業の会社がすることになっていたら、どうにもならないのでしょうか?
・同時に二箇所で働かれている場合は,副業分については年末調整ができないです。(確定申告は,前述のとおり会社ではできないです。)
(5)確定申告は支給明細があればいいのでしょうか?
・源泉徴収票を交付してもらってください。
>自分でされている方は、どのタイミング(時期等)でされるのでしょうか?
・というか,確定申告は自分でしかできないです。
通常は,2月16日から3月15日の確定申告の時期にします。
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なお,ご質問では副業がアルバイトと書かれていますので,「給与所得」(勤務先から給与としてもらわれる所得)なのではないでしょうか?
その場合は,本業と副業の収入が合算されて,一緒に「特別徴収」(給与天引き)がされますので,副業だけを分けることはできないです。
お礼
ありがとうございます。 役所や税務署などもほとんど行くことがなかったので、分からないことはまだまだ ありそうですが、教えていただいた事を元に調べてみます。 最後まで親切・丁寧に教えてくださりありがとうございました。