トリスタン(トリストラム)は、別の物語の主人公だったのを
アーサーの物語に強引に組み込んだものなので、
円卓の騎士としてのエピソードはほぼ登場するシーンで
ランスロット他と戦うというシーンだけです。
トリストラムの冒険は、それぞれ独立した物語。
基本的にトリストラムの役どころは、狩猟者版のランスロット。
ランストットでギネビアの関係が、そのままトリスタンとイゾルデです。
だからランスロットが活躍する物語には彼の登場する余地はありません。
しかしランスロットと違って、トリストラムには
ピクト人のタルローフ王の息子ドリストという実在のモデルがいます。
昔のお話のなかにかなりえぐいものが多いですが、
トリスタンがもう一回円卓と絡むのは、聖杯探しのところですが、
彼は途中であきらめてイゾルデに会いに行って、マーク王(イゾルデの夫)の毒槍に刺される。
死の間際にイゾルデに抱かれて、彼女を絞め殺して一緒に息果てます。
マーク王はアーサーの死後にキャメロットに侵攻して、
円卓を粉々に壊しますが、最後はランスロットのいとこボルスに殺されるという顛末です。
お話の成り立ちなどを書いたもっとまじめな本に、
アーサー王伝説(ギャヴェンディッシュ/高市訳) 晶文社
中世騎士物語(ブルフィンチ/野上訳) 岩波
などがありますから、これを読めばすぐにわかるでしょう。
後者は文庫版もあります。
お礼
ありがとうございました。さっそく調べてみます。