袋地があればそこに囲繞地通行権はあり、袋地につくられた建築物が違法であるからと言って、囲繞地通行権が直ちに否定される物ではありません。
これは原則としては建築基準法と囲繞地通行権はとは無関係である(最高裁判決昭和37.3.15)という判断に基づきます。
ただ、囲繞地通行権があるといっても権利の濫用があれば認められないこととなるので、その権利行使に濫用があれば否定されることもあります。
判例としては役所から建築工事の停止命令がでているにも関わらずそれを無視して建築を続けた場合に下水道排水権を権利の濫用として認めなかった最高裁判決平成5.9.24があります。
もちろん囲繞地通行権があるからといって、違法建築物を適法にするために、袋地に建築基準法の接道要件を満たす幅員の通路の要求が出来るというものでもありません。
原則はともかくとして、個別ケースになるとまだそれらに対応できる統一した学説はないので、ケースによっては判断がぶれるということはありえるとは思いますが。
お礼
ありがとうございました。