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動物も文化を持ち、世代を越えて継承するのですか?

初めまして。 早速質問させていただきます。 質問は 「人間以外の動物も文化を持ち、それを世代を越えて継承するのでしょうか?」 です。 以前何かの記事で読んだのですが、 人が全く入ったことのない森に生きている生物は、 人が害を加える生き物であることを知らないため、人を怖れないそうです。 ところが、ある程度人が森の中で害を振りまいた後では、 それから後、動物は人を警戒するようになるとのことです。 どうしてこのようなことが起こるのでしょうか? まずもってこの記事自体をどう評価したらよいかわからないのですが、 もしこの記述が正確な表現を取っているのであれば、 タイトルの「動物も文化を持ち、世代を越えて継承する」が行われて いるのではないかと思うのです。 しかし動物は、人間と違って記憶の外在化をしなければ、 そもそも言語も持ちません。 たぶん。 では一体どのように、人は彼らの文化へ影響を及ぼしたのでしょうか? わかる方、ぜひ教えてください。

みんなの回答

noname#160718
noname#160718
回答No.9

 Jagar39です。ご返答ありがとうございました。 >現代のグローバリゼーションが、文化的熱死を導きそうで逆におそろしくなりますね。  ここで一瞬、「動物とヒトの"文化"は違う・・」と思ったのですが、よく考えてみると、ヒトの文化も自然科学的(すなわち生物学的)に定義すれば同じになるのでしょうね。よくよく考えてみると、むしろそうでなければこのような動物の行動に「文化」という言葉を使う意味がない、ということも言えそうです。  ヒトの文化の場合、人文科学的にも様々な角度から考察でき、それぞれに定義付けがあり得ますから、惑わされてしまうのでしょう。  A集団B集団のシミュレートですが、さらにもう少しいろいろなパターンを考えてみると、3と4の狩猟圧がなくなった時に、ヒトとの接触自体が途絶すれば、数世代もしないうちに「ヒトを恐れる」行動も消失するだろう、ということは容易に想像できます。  その対象がなくなれば、個体間の伝達も不可能になりますから。  対象がない状態でも「青き衣をまといし者、金色の野に降り立ち・・」などと、ある特定の概念が伝達されていくのは(数日前にテレビで「風の谷のナウシカ」を観たばかりなので・・)、それこそ「伝承」と呼ぶべきもので、これには記憶の外在化あるいは言語を持たない動物には不可能でしょう。  ただ、薄くても接触が僅かでもあれば、「ヒトは怖い」という概念が伝達されて集団内で残ることはあり得ると思います。  例えば山でヒトの痕跡(足跡や臭いなど)を発見した親なりボスなりが警戒行動を取れば、子や他の個体は「この痕跡を残した者は危険な存在である」ということを学習するでしょう。  ま、その学習効果も世代を経る毎に薄れていき、やがてはB集団と同じくヒトに対して警戒行動を取らない集団になってしまうでしょうけども。  もうひとつ、A集団がヒトの狩猟圧を受ける前(ヒトとの接触がまだない時期)に、既にその集団内に「ヒトを恐れる遺伝子」を持つ個体が存在していた場合を考えてみました。  ヒトとの接触を受ける前は、その遺伝子は当然有利にも不利にも働きませんから、選択は受けず、遺伝子頻度は基本的に変化しないでしょう。まあその個体が別に生存上有利な遺伝子を持っていた場合は別ですが。  その状態の集団に、ヒトが接触して狩猟圧をかけるとします。  するとその極めて初期の段階では、当然のことながら「ヒトを恐れる遺伝子」を持つ個体は生存上有利になるでしょうね。  でも、その集団内では迅速に「ヒトは怖い」という学習がなされ、それが他の個体に伝達されて、ヒトを恐れるという行動が「文化的行動」として成立するでしょう。  どれくらい迅速に、というのは、その生物の知能、生活様式、集団の密度等様々な要因によって左右されるのでしょうが、ニホンザルのようにかなり高い知能を持った動物が集団で生活するような動物種では、遺伝子が選択されて集団内でその頻度を高めていくより圧倒的に「文化的行動」がその集団に定着する速度の方が早いでしょう。  なので早期に、多くの場合1世代もしない間に集団の大部分の個体が「ヒトを恐れる」行動を獲得することになるわけですから、「ヒトを恐れる遺伝子」を持つ個体の優位性は失われる、すなわちこの遺伝子が選択されて集団内で「本能」として定着することはない、と考えられます。  よく考えれば、文化的行動の定着速度は、知能をとりあえず別にすると極めて広い縄張りに単独で生活する動物(他の個体との接触密度が最小)の場合に最も遅くなるのでしょうが、その場合ですら「遺伝子頻度の上昇速度」と同等なわけです。つまり「親が子に伝達できるだけ」の場合です。  厳密に考えれば、この場合ですら文化的行動は親が全ての子に伝達することが可能ですが、遺伝子は全ての子に伝達できるとは限りませんから、どうやら 1.ある程度まとまった情報を個体間で伝達することが可能な程度の知能を持った動物が 2.ある環境変化に対する適応が、「行動」のみで可能な場合  この2つを満たす場合は、環境への適応は遺伝子によるものより文化的行動(個体間の学習による情報の伝達)によるものの方が、集団内で定着する時間が圧倒的に短く有利、ということなのではないでしょうか。  むろん、その行動が集団内で定着した際、その行動に有利な形質が遺伝子の変異により出現すれば、その遺伝子は有利な遺伝子として選択され、集団内で頻度を高めて定着していくでしょう。それにかかる時間の間に再び環境変化が起きて、その行動が特に有利なものでなくなれば、また話は別になるでしょうが。  ともあれ、日経サイエンス155「社会性と知能の進化」は是非ご一読をお奨めします。非常に面白いです。

saku_sakamoto
質問者

お礼

回答有難うございます^^ もっと沢山議論がなされていたのに、読み込んでいるうちに いつの間にやら削除されてしまい・・ お返事も遅くなってすいませんでした! 学習・教育・伝達の問題は難しいですね。 コンピューターの性能が上がる昨今、ニューエイジ時代のように ホーリズムもまた流行っていたりするのでしょうか? それとも還元主義が更なる精密さを増しているのでしょうか? 日経サイエンスはおもしろそうです。読んでみようと思います^^

noname#160718
noname#160718
回答No.8

 No.4のJaar39です。  やっぱり「動物行動学において"文化的行動"と判断する基準」をきちんと書いておけば良かったですかね。  No.4で紹介した日系サイエンス155「社会性と知能の進化」の中の「オランウータンの道具の文化が示す知能の進化」という報告(例のネーシアを食べるための道具文化が紹介されている原稿です)の中で著者のシャイックは、動物のある行動が「文化的行動である」と判断するための基準として、以下を挙げています。 1.その行動に地域差があること  そしてその行動が見つかるところでは当たり前の行動であること 2.社会的学習とは関係なく同じような地理的パターンが見られうるという単純な解釈を除外できること  つまり環境要因と遺伝的要因に影響を受けていないこと 3.文化でなくては説明が付かないような地理的分布があること  まあ、本文では別に箇条書きで整理されて書かれているわけではないので、まとめると却って判りづらくなるかもしれませんが、本文ではこの論証にまるまる2頁ほど割かれているので、ここで書くのはこのくらいが限界です。  重要なのは環境要因と遺伝的要因を排除できること、という条件なのですが、この基準で考えると、ご質問の「ヒトに害を与えられた後、ヒトに対して警戒的になる」という現象が「文化」と言えるかどうかは微妙なところでしょうね。「ヒトによる害」という環境要因に対する単なる反応である、と考えることができますから。  ただし、例えばヒトにほとんど接触したことがないAとBという2つの集団があったとして、 1.Aの集団はヒトによる狩猟圧を受けた 2.その後、Aの集団はヒトに対して警戒行動を取るようになった 3.その後、A集団に対する狩猟は行われなくなった 4.それから数世代が経過した後も、Aの集団はヒトに対して警戒行動を取っている 5.Bの集団はヒトに対してあまり警戒的でない  という現象が見られた場合は、Aの集団のヒトに対する警戒行動は「文化である」と言える"かも"しれません。直接的な環境要因による行動ではないですから。  動物の行動が環境に対する反応である以上、「環境要因を除外」というの条件はどこで線を引くか、という点について常に議論になりうる気がします。  この原稿で述べられているネーシアの話にしても、著者自ら道具を使うようになったきっかけのところで環境要因を考察していますから。

saku_sakamoto
質問者

お礼

回答ありがとうございます^^ 順番に読ませていただきます。 まず地域差こそが文化と定義してきたところが驚きました。 いやぁ、このような定義からスタートするのですね。 これは・・・基本と言えば基本の気がしてきました。 現代のグローバリゼーションが、文化的熱死を導きそうで逆におそろしくなりますね。 分布に定義を求めるところも、いやー、発見です。 これは、研究者さんの観察の立場と、言葉の使い方の括りとも言えそうです。 観察する者からの定義(帰納的)って感じがして新鮮です。 続いて・・このA・Bのシミュレーションが、私の聞きたかった例そのものです。 言葉の定義づけはともかく、とある限定範囲のとある種族が、学習をし継承をしているということですね。 セントラルドグマはわかります。 学習効果も、世代を繰り返すうちに消失するかもしれません。 なかなか難しくなってきました・・。

  • otx
  • ベストアンサー率44% (256/576)
回答No.7

なんか文化というと、「生存するという基本的なことを守る以上の行動」のように思います。 >ところが、ある程度人が森の中で害を振りまいた後では、 それから後、動物は人を警戒するようになるとのことです。 どうしてこのようなことが起こるのでしょうか? そういう意味で、これは動物の基本的な行動であって、文化とは違う気がします。これを文化と言ってしまうと 教えられもしないのに巣をつくる鳥も「巣をつくるという文化」を持っているということになりますし、蝶が特定の植物の葉っぱしか食べないように住み分けをしているということも「特定の葉っぱしか食べないという文化」を持っているということになりますので・・・。

saku_sakamoto
質問者

お礼

回答ありがとうございます^^ 言葉の使い方が間違っていたら申し訳ないです。 遺伝的要素のみから導かれない、学習と継承の全体を指してそう言いました。 otxさんが思われるような高度な精神活動ではないのかもしれません。

  • shinsho4
  • ベストアンサー率50% (80/157)
回答No.6

以下はニホンザルのイモ洗い行動に関するウィキペディアの記事です。 「ニホンザル研究の拠点の一つであった幸島では、若いメスザルが餌のサツマイモを水で洗って食べることを始め、群れの他のものにもそれをまねするものが現れた。その中には、海水であらい、さらに食べるごとに海水に浸して味付けをするらしい行動をするものも現れた。また、砂浜に撒かれた麦を、砂ごと抱えて海水に放り込み、波に洗われた麦粒を拾って食べるものも出現した。さらに魚を捕らえるものまで出てきた。これらの行動はサルの文化的行動として注目を受け、動物にも文化を認める論の先駆けとなった。」 以上は、「動物が人を警戒する」よりも、さらに文化的な行動でしょう。 動物における文化の伝承は、言語や記憶媒体を必要としません。 というか、それらを必要とするほど複雑なものはありません。 ニホンザルのイモ洗いは、親ザルが洗っているのを見た子ザルがマネをし、その子ザルが親になって子を産み、その子ザルがマネをし・・・この繰り返しで伝承されていきます。 人を恐れる動物も同じです。 人が仲間を襲うのを見た個体は人を見ると逃げます。 他の個体もそれを見て逃げます。 親が殺されれば、子は逃げます。 親が逃げれば子も逃げます。 このように伝承されていきます。 人を見たら逃げるという個体だけが生き残り、子孫を残します。 何万年も続けば遺伝子に刷り込まれ、本能になります。 強い動物から襲われても、逃げるということをしない動物、そういう本能がない動物は、ANo.3さんのおっしゃるように絶滅してしまいます。

saku_sakamoto
質問者

お礼

回答ありがとうございます^^ 類人猿には興味が尽きませんね。 Jagar39さんのスマトラの話はちょっと驚きです。 地域で文化差があるというのは非常に面白いです。 同じく理知的と言われる、イルカなども、地域によって違った習性が見られるのでしょうか? 好奇心はつきません(笑

noname#160718
noname#160718
回答No.5

 No.4のJagar39です。  先の回答で「文化」を「分化」と誤記していました。失礼しました。

noname#160718
noname#160718
回答No.4

 別冊日系サイエンス155「社会性と知能の進化」という本があります。  質問者さんの疑問に対する回答は、この本に全て記述されているかと。  それだけで終わったら素っ気ないので概要を書いておきますが、動物(特に類人猿)を対象にした動物行動学では「分化(culture)」というタームはごく普通に使われています。つまり、彼らが「分化を持つ」ことは前提で、その文化の差異や伝搬様式等が研究の対象になっている、ということです。  この本の第一章でスマトラ島に生息するオランウータンの研究成果が報告されているのですが、ネーシア(写真で見るとアケビによく似ている果実)の実を食べるために小枝を器用に扱う「分化」の例が紹介されています。  この「分化」はアラス河という大河の対岸ではまったく観察されないということで、ネーシアの分布自体は川の両岸で差がないにも拘わらず、ネーシアを食べる地域とほとんど食べない地域に分断されているということです。このネーシアは小枝のような「道具」を上手く扱わないと食べるのが難しい果実なので、ネーシアを食べるために開発された「技術」が個体と世代を越えて伝達されていることは間違いないのでしょう。川の対岸には伝わってないというわけです。  この「地域による行動の差」を「分化」と定義づけている基準もきちんと説明されているのですが、長くなるのでここでは紹介しません。興味がおありでしたら本を入手して読んでみて下さい。  他に報告されている記事のタイトルだけ紹介しておきます。 「分化から探るチンパンジー社会」 「ボノボの性行動と社会」 「レイプするオランウータン」 「イルカの気泡リング遊び」 etc..  どれも非常に面白いです。是非一読をお奨めします。  このオランウータンの道具使用の"分化"は、ご質問のケースと成立と伝搬はよく似ているのではないかと思われます。  群れで生活したり縄張りが共通しているため他の個体と接する機会が多い動物では、ある特有の行動様式が他の個体に学習によって伝達することはあり得るし、親子で生活する期間が長い動物ではなおさらでしょう。  私は獣医師なので牛には日常的に接しているのですが、黒毛和種(肉専用種)の子牛は4ヶ月くらいの期間、母親と共に生活させる飼養形態が多いです。  すると、ヒト(獣医や時には飼い主)に対して警戒心が強い母親の子牛は、やはりヒトに対して攻撃的になることが多いです。産まれてすぐ母親から離して飼うとそんなことはないのですが。  やっぱり母親の「人間は嫌い!」という気持ちを見て、子牛の方も人間が嫌いになるんでしょうね。  ま、この現象には遺伝的要因も絡んでいるかもしれませんから、私は直ちにこれを「牛の分化である」とは断言しませんが。  まあなんせ、面白いのでこの本を読んでみて下さい。

saku_sakamoto
質問者

お礼

回答ありがとうございます^^ スマトラのオランウータンの話は面白いですね! これは初耳でした。 哺乳動物クラスになると、 身振り・手振りの伝達があるかなぁと存じます。 このクラスでは想像がつくのですが・・・。 元記事の記憶が曖昧で申し訳ないです。 動物というのは、哺乳動物はもちろんのこと、 鳥類や、場合によってはもう少し単純な生き物のことも含めていました。 極端なことをいうと、ある程度の社会性を持つ昆虫クラスですら、 そのような現象が見られるのかしら、 見られるなら、彼らには一体何が起こったのかしら、 と思って質問しました。

  • moritan2
  • ベストアンサー率25% (168/670)
回答No.3

人は動物にとってたいへん危険な生き物です。ですから、人間と接触する恐れのある所に住んでいる動物には、人を恐れるという本能は生存に有利な性質となります。 しかし、人間と接触しない地域では人間を恐れるという性質は特に生存に有利に働くわけではないので、本能が無い個体も普通に子孫を残せます。そこに人間がやってくれば、本能を持っている個体が生存して子孫を残すのに有利になります。

saku_sakamoto
質問者

お礼

回答ありがとうございます^^ まったくおっしゃる通りだと思います。 しかしそれは、その短期間に「本能」と呼べるレベルまで習得したということでしょうか? 種としての根本的変化まで起こったために、得た能力ということでしょうか?

回答No.2

質問者様のおっしゃる「文化」とは何ですか? http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%87%E5%8C%96 「文化」というと、上のURLの中で、ハイカルチャーを思い浮かべます。しかし、それは人によって定義が違うので何とも言えません。 私からすると、ハイカルチャーは動物は持っていないと思います。 そして、質問者様がおっしゃっていることは「文化」とまではいかない、簡単に言うと「文化という言葉であらわすものではない」と思います。 文化という言葉をどのようにつかっていらっしゃるのでしょうか? また、それは文化というのは大げさすぎると思いますが。

saku_sakamoto
質問者

お礼

回答ありがとうございます^^ 質問をしておいてなんですが、このような抽象的なテーマの場合 正確に言葉を選べていないかもしれません。 そこは察してくださると幸いです。 遺伝的性質ではないものを指して文化と呼んだつもりです。 遺伝的性質はすぐに変化するものでないし、 すぐに変化したのは”文化”なのではないかと思いました。 正しい呼び名があれば、それも教えていただけると助かります。

  • rongo-dog
  • ベストアンサー率4% (13/295)
回答No.1

森林開発で生活を脅かしたから。 また、森林開発で、温暖化をも、促進したから。 余計、人に、反感を持たれたのでしょう。

saku_sakamoto
質問者

お礼

回答ありがとうございます。^^ そうですね~。 原因があるから、そのような結果が出るんですよね。

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