#3です。
B.N.F.氏は、大規模介入によって、ドルの過剰流動性が生まれることを警戒したわけですね。
円の話かと誤解していました。
2004年時点での彼の懸念は、半分は大当たり!! 半分は外れましたね。
こんな意味かと思います。
【前提】
・本来、経常収支が赤字(貿易収支などがトータルで赤字超)の国の通貨は下がり、黒字の国の通貨は上がることでバランスされる。
・日本が介入して米国債などのドル債券をじゃんじゃん買えば、(財政赤字の)米政府が国債をどんどん発行しても値崩れせず、長期金利が上がらないですむ。
(金利と債券価格の関係は、おわかりですよね? 債券が市場でだぶつけば値崩れ → 確定利子は同じなので、「利子÷債券価格=利回り」が上がる →市場の長期金利上昇 です。)
【彼の懸念?】
・介入のせいで、米ドルの金利水準が(市場原理からして本来あるべき水準よりも)低く保たれている。
↓
アメリカの住宅や株が上がっているのは、低金利の金余りのせいだ。
・これが続くと、だぶついた投機資金が「一次産品に大量に流れ」るかも?
↓
原油や原料の値上がり
↓
「原材料の調達コストがかさむと その分を補うために企業はリストラや減給」して、「給料や仕事が減り食料品の価格が上がれば家計を圧迫しそれがまた 消費を落ち込ます」
↓
スタグフレーション! になるんじゃないの?
【実際には・・・】
●当たった部分
1)商品市場への投機マネー流入 →高騰 は起きた。
2)スタグフレーションも起きかけている。
●外れた部分
1)アメリカの景気や住宅バブルを腰折れさせたのは、資源高によるインフレではなかった。
2)本格的な商品市場バブルは、サブプライム問題の表面化後に(投機マネーが金融市場から商品市場へ逃避することによって)起きた。
3)世界的な金余りは、むしろ日本が通貨介入をやめた後に本格化した。(その主犯については、諸説あるみたいですね。日本の超低金利も犯人の1人でしょう。中国の元売り介入も??)
うぅ~~む。。。さすが天才。デイトレをやりながらも、マクロ経済をちゃ~んと気にしていたんですね!
でも、、、私なんかが突っ込みいれるのも、、、とは思いますが。。。f(^ 。-;
資源高で、産油国の懐が豊かになり、彼らが手にしたドル資金がアメリカへ再投資されて、不動産や株を上昇させてきたはずです。
彼の懸念とは逆に、商品バブルがアメリカの活況を支え、持続させたのだと思います。
答えが出た今だから言えることですが、彼は、米国の金利水準が国際的なマネーの流れに影響される点は指摘しながら、「マネーの逆流」については、当時はあまり意識していなかったみたいですね。
彼ほどの天才にしても、3~4年後を読むのは難しいのだ!という教訓として、受け止めておきます。
でも、「メカニズム」は結果として読み間違えたけど、「次は商品バブルだ」って点は正確に予測してるんですね・・・すごいっ!!
おかげさまで、勉強になりました♪ (^-^)
お礼
金利が下がりそれが投資を加速させるわけですね。 4年前から介入していないのに株式・商品が絶好調だったのが 気になっていたのですが、中国のドル買いですか~~なるほど。 そういえば前にニュースで中国の外貨準備高の話が出てました。 言われてみると世界経済を支えたアメリカの不動産市場は 投機マネーのおかげだったのに、それが今回は経済をさらに衰退させる原因になっているんですね・・・。不思議な感じです(笑) 途上国好景気→商品高→資源国好景気→投資→不動産・株上昇 この考え方はためになりました。 こうしてみると、アメリカの債務証券の仕組みが好景気を加速させて 弾けたという事が分かりますね~。 >彼ほどの天才にしても、3~4年後を読むのは難しいのだ!という教訓として、受け止めておきます。 そうですね(笑) ちょっと考えただけでも影響する要因が多すぎて ほぼ無理ですね・・。 これで介入と国債の分からなかった事がだいぶ分かりました。 色々ご丁寧に教えてもらいありがとうございました^^