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カタクリの花が真下を向く理由は
カタクリの花はなぜ真下を向いているのでしょうか。茎が180度極端に曲がっているのが不思議です。どんな理由が考えられますか。
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カタクリは代表的な林床植物で春一番に咲きます。カタクリのように春先しか活動せず後はほとんど休眠して過ごす植物をスプリング・エフェメラルと呼びます。語源に忠実に訳せば「春に咲く,カゲロウのようなはかないもの」という意味です。スプリング・エフェメラルは二つの面から独特の進化をしてきました。 高山植物と似ていますが,早春には霜がおります。花は霜対策を考えなければなりません。例えば,一般のツツジより高山に適応しているドウダンツツジは霜や雪対策で下向きの釣鐘状の花を付けます。カタクリも同じかも知れません。 第二に,送粉昆虫の問題です。あまりに春早くですので送粉昆虫に限りがあります。スプリング・エフェメラルはほとんどがある種のマルハナバチの越冬女王を媒介昆虫に選びました。花が少し青みがかっているものはマルハナバチの好む波長域を含むためです。 カタクリもある種のマルハナバチの越冬女王にあわせて花が作られているはずですが,マルハナバチは数多くの種がいまして,蜜を吸います吻の長さ,何かに止まるかホバリングするか等の蜜を吸う状態等様々です。推測ですが雄しべに長いものがありますからそこに止まるマルハナバチかも知れません。カタクリとしましては力学的に上向きの止まり場を作るよりもつり下げる方が倹約になるからかも知れません。以上全て推測でした。
お礼
suiran2様 wrote taratiri 昨夜のNHKTV「ダーウインの進化論」を見ておりました。生物が長年かかって,環境に適合した形になる過程がわかりやすく報じられていました。カタクリの咲く早春,花の蜜を求めて,当地ではエゾスジグロチョウ,エゾヒメギフチョウなどのごくごく限られた昆虫が,おしべを抱えるようにとまっています。種類は不明ですが,小型のハチもいました。貴回答推測のとおり,これらの昆虫が止まりやすく,蜜を吸いやすく,受粉しやすい形が生き延びてた結果,カタクリは下向きになったとの説,推測と言われますが,十分納得のいくお考えです。ご教授いただき御礼申し上げます。参考までに,下記の観察会写真をご覧ください。 http://www.city.asahikawa.hokkaido.jp/files/kouminkan/w_kagura_ph/index.htm