- ベストアンサー
喫煙する男性の精子を受精した場合、受精卵・胎児およびに母体には影響があるのか?
- 喫煙する男性の精子を受精した場合の影響に関する研究はまだ行われておらず、知見もない。
- 喫煙する女性は妊娠リスクがあるが、喫煙する男性の精子の影響に関する研究は不十分。
- 研究によると、喫煙は生殖能力に悪影響を与える可能性があり、赤ちゃんの健康にも影響があるかもしれない。
- みんなの回答 (7)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
こんばんは。 喫煙による催奇性、発ガン性の機序を考えれば、喫煙リスクは喫煙者ご本人の代だけでなく、生殖細胞において変異を受ければ、おっしゃるように後代(赤ちゃん)においてリスクを負うことも十分考えられます。また、直接の赤ちゃんには現れないけれど、有害な変異として遺伝情報(DNAの塩基配列)に蓄積され、相同組替え等を切っ掛けとして、思いもよらない後代においてリスクを負うことも十分考えられます。さらには、「ホモ」サピエンスの名前の通り、ヒトは相互に配偶が可能ですので、その有害な変異が集団分子遺伝学的に広く人類全体に「固定」されてしまうことも考えられます。つまり、喫煙リスクの及ぶ範囲は、inatotokihさんとその赤ちゃんの代にとどまらず、ずっと先の代まで、かつ「人類全体」ということになります。 タバコの煙には変異原性を持つと思われる数百種の化学物質が含まれていますが、中でもベンツパイレンは特に有害な物質です。それ自体が変異原性を示すだけでなく、代謝の過程でジオールエポキシドになった場合は、DNA付加体となって遺伝情報が正しく伝わらなくなります。反応部位は、エポキシドのC10位とグアニンのアミノ基です。この変異がガン抑制遺伝子またはその発現をコントロールする位置に起こると、ガンを起こしやすくなります。この有害な変異を、父方、母方由来の両方とも受け継いでしまうと、小児ガンなどのリスクがきわめて高くなります(ツーヒットセオリー)。 ガン抑制遺伝子でない部分の遺伝情報に傷がついた場合も、有害な変異として(赤ちゃんの代には現れないけれど・・・)蓄積されて、思いもよらない世代でリスクを負う事も考えられます。
その他の回答 (6)
- tomi-chan
- ベストアンサー率54% (51/93)
こんばんは。 inatotokihさんは生化学、遺伝学について良くご理解いただいているとお見受けいたしました。そこで、平山先生の「予防ガン学」と木村先生の「分子進化の中立説」をお読みいただくと良い参考になるのではないかと思い、再び書かせていただきます。 「予防ガン学」は、発ガンの機序、発ガンの原因について「疫学」的な調査により明らかにしたものです。大規模なコホートスタディから「統計」の手法を用いることにより、その原因を予測することができます。 平山先生の「予防ガン学」は、疫学の対象をガン・肉腫に限定していますが、ガンの種類(原発ガンの部位)ごとに「喫煙」による寄与も明らかにされています。ガン以外のリスク、例えば心筋梗塞、脳血管障害、動脈硬化、自律神経系障害などについても、もしかするとコホートスタディが行われているかも知れません。 精子の受精能と、その精子の精核がもつ遺伝子型とは別々に考えた方が良いです。精子自体の奇形や運動性は、その精子を作った「お父さん(2n)」の表現型です。これには、後代を担うことになるかもしれない精核(n)の遺伝子型は無関係です。これが「遺伝病」の遺伝病たる所以です。 こと日本人に限って言えば、ガンで命を落とすヒトの割合が増えました。考えられる原因を幾つかあげて見ると、平均寿命が伸びたこと、食生活の欧米化などの他に「喫煙文化」の導入があります。喫煙によって遺伝子に有害な変異を受ける可能性があること、その代では中立的(有害でも無害でもない)変異は後代に引き継がれることを考えると、喫煙リスクが浮き彫りになってきます。ほとんど報道されていませんが、このまま喫煙文化が定着してしまうと、積もり積もって人類にとって大打撃となります。
お礼
度々、ご回答にお時間を割いていただき感謝申し上げます。 お勧めくださった書籍は二つとも、アマゾンにて発行年月を見てびっくりしました。 出版からだいぶ経っていますね。発ガンリスクについての研究が、この時点ですでにここまで高い精度で体系化されていたわけですよね。 しかしそれにも関わらず、いまだに世の中の通念では「煙草がガン発症の直接原因である証明はなされていない」し、煙草会社や財務省の警告も、「煙草の吸いすぎは健康を損なう恐れがある程度」なわけですね。 真実はいくらでも、黙っていようと思えば黙っていられるわけですね。お粗末な話です。うんざりしてしまいます。 また、「精子の受精脳≠精子の精核がもつ遺伝子型」というご指摘、ありがとうございます。喫煙男性の精子が喫煙行為から受ける影響は、喫煙母体から胎児への影響ほどには直接的なものではないのですね。 だからこそ、肉眼では不可視のレベルで経年的に起こり得る変化や障害に、煙草製造者や販売者は関心をもってほしいと改めて思いました。 素人の短絡的な発想から出た質問にご丁寧にご解説くださり、本当にありがとうございました。お答えいただけて幸いです。 書籍は届いたらすぐ読みたいと思います。 少しでも多くの喫煙者が、喫煙の及ぼす種への打撃の可能性から目をそらさず、良心の対象を広げてくれることを願ってやみません。
- simakawa
- ベストアンサー率20% (2834/13884)
むしろ,副流煙の方が害が3倍位あるんです. 止めて貰うことです. http://www.google.co.jp/search?sourceid=navclient&ie=UTF-8&rls=SNYA,SNYA:2003-46,SNYA:en&q=%e5%a6%8a%e5%a9%a6%e3%80%80%e5%89%af%e6%b5%81%e7%85%99 妊娠していなくても. http://www.google.co.jp/search?sourceid=navclient&ie=UTF-8&rls=SNYA,SNYA:2003-46,SNYA:en&q=%e5%89%af%e6%b5%81%e7%85%99 止められなければ,結婚を考え直した方がいいです.箱にも記載されていますが間違いなくガン化に進んでいます. http://www.nosmoking.jp/introduction/ill/ill02.html http://www.e-kinen.jp/harm/index.html 箱に記載のニコチン含量等はインチキです.どうやって出した値か聞けばあきれ返ります.その何十倍も吸わされているんです.
お礼
ご回答ありがとうございます。 リンク先みましたが、吸わない人間からすると、改めてなぜ吸う人がいるのか不思議に感じますね。 「ケムいとか言う奴はヒステリー」 「煙草は誰にも迷惑かけてないのに、嫌いだからってだけで反対する奴が多い」 「喫煙する人間はおもしろい人が多い。吸わない奴らは普通」 などの台詞を日々聞くにつけ、なに言ってるのかなあと思いますが、吸う人って本当に、吸わない側がなぜケムいか、なぜ不快かがわからないんですよね。 煙草滅びろ!とは思っても言いませんから、せめて分煙がノーマルな社会になってほしいと願います。
私自身は非常に懐疑的なのですが、「男性の喫煙により、精子のDNAが改変されて子孫に悪影響を与える」という説(No.3さんも書かれていますね)を紹介します。 出典はこちら。 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17545587?ordinalpos=3&itool=EntrezSystem2.PEntrez.Pubmed.Pubmed_ResultsPanel.Pubmed_RVDocSum これ、英文論文のアブストラクトなので一般の人にはなかなか読み辛いでしょうから、この論文内容を要約した記事も紹介しておきます。 http://www.rda.co.jp/topics/topics2781.html 要するに、マウスの精子幹細胞をタバコの煙に晒すと、精子のDNAに損傷が生じる、という実験データです。 ・・・まあ、私自身はこの実験成績から、「男性喫煙者の精子DNAの損傷によって子孫に悪影響が出るかも!」と推論することにはとっても懐疑的です。 まあ、全文を読んでいないので実験の細かいところは判らないのですが(あまり読む気にもなれないけど)、幹細胞をタバコの煙に晒した、という実験方法が?です。喫煙時の血液状態とはぜんぜん違うだろう・・・と思うんですけどね。 他にも調べた遺伝子部位が反復部位だったり(元々変異が多く起きるサイトなのでは?)して、そのためか「非喫煙状態」の幹細胞と1.4~1.7倍くらいしか変異率が変わらなかったりするあたりも、?だったりします。 でも一番疑問なのは、喫煙者の精子のDNAが損傷しやすいのは理解できるとして、それを「子孫に悪影響」に直結させる論調です。DNAに損傷を受けた精子は「受精能を失う」確率が最も高いはずでしょう。 けっこう昔から喫煙者の精子は受精能が低いということは言われていました。そういう意味では素直に「なるほど」と思える成績ではあるのですが・・・ でも邪推すれば、遺伝子として機能していない反復領域を実験対象として選んだということは、他の"まともな"領域では差が出なかったからなのでは?と思っちゃいますけどね。 喫煙男性は精子の受精能低下の他に勃起不全になりやすいなど、「生殖能力」そのものが落ちるのは多分間違いがないところでしょう。 ただ、受胎に成功してしまえば、その子供に精子の遺伝子レベルで悪影響を及ぼすことは、少なくとも統計データとして見えてくるほどの差はない、と私は思いますが、まあどう考えるかは質問者さん次第です。 ちなみにこの論文の主張を信じるのなら、喫煙歴がある男性は禁煙しても手遅れだそうです。この理屈も私にはいまいち納得しづらいですが。 ひとつだけ老婆心でいらぬお節介を言わせていただければ、喫煙者でもしかしたら精子のDNAに損傷を受けているかもしれないけれど「質問者さんにとって好ましい遺伝子を持った男」の方が、「非喫煙者でまったく損傷のない綺麗なDNAを持っているけど、でもその遺伝子そのものがカス」という男より、繁殖の相手としては好ましいのでは? その相手を質問者さんが選んだわけですから、それで良いのでは?とよけいなことですが思いました。 DNAにダメージを与える物質は世に満ちています。生物はそれに耐えて(耐えられずに滅んだ個体や種も多いでしょうが)、時にはそれを進化のきっかけにして生きてきたわけですから。 ま、彼氏は禁煙できるならした方が良いに決まってますけどね。
お礼
ご回答ありがとうございます。 リンク先、拝見しました。 実験で使われたのは精子のもととなる精原幹細胞ですね。 素人なので実験手法の意図がよくわからなかったのですが、喫煙者の精子を使用したものではないのですね。 なんにせよ、実験や研究は色々なところで行われているのがわかってよかったです。 また、繁殖に適した相手というのはおそらく相互に健康を害さない関係であることが求められるでしょう。 しかし私たちの場合、彼にとっての私は「精神安定のための嗜好をいくぶん我慢させる存在」であり、私にとっての彼は「一緒にいると苦しい存在」です。 とりあえず個人レベルでは妥協点を探しながら、広義には煙草と疾病の関係に関心を持ち続けていようと思います。
- otx
- ベストアンサー率44% (256/576)
まず、妊娠→出産に関して男の役割を明確にしてから、その時にタバコを吸っているということごどのように関係するか書き込んでみます。 妊娠→出産において男が関与すると言ったら、主に2つです。 1、精液(精子を含む)を女性に注入する 2、精子が卵子と出会い受精が成立→胎児発生 この2つについて、母体と胎児に対する影響を考えてみます。 1ですが、母体に対する影響ですが、ヘビースモーカーの男性の精液に毒が含まれていて女性に悪影響がある可能性は無くはないと思います。 しかし、精液に毒が含まれるほどヘビースモーカーの男性がいたとして、その男性は精液以前に体がボロボロなのではないでしょうか? 精液に毒が濃縮されるという話は聞いたことがないのです。 その辺から考えて必要以上に危険視しなくてもいいと思います。 次に精液の胎児に対する影響ですが、胎児が母体にいるときにその毒を含んだ精液が影響するがという懸念が生まれると思いますが、 もし毒が含まれているとして、それは人が即死するほどの量であるとは思えません。そんな男性は自分が死んでいると思われるからです。 毒が微量であるとして、母体内の胎児にまで影響が出るまでにどれだけの精液が必要になるでしょうか? 現実的にはそこまで危険視しなくてもいいと思いますが・・・。 2ですが、精子形成には男性の体調が深く関与します。タバコは男性の体に影響すると思うので、遺伝子が傷ついたなど、異常な精子が作られる可能性が高まります。 異常な精子は受精能力が低いですが、そのような異常な精子が受精に関与すると異常な胎児になります。 そういう意味で、タバコを吸う男性の精子は胎児に悪影響がでる可能性はタバコを吸わない人に比べると高いとは思います。 実際の数値等を調べた論文は知りません。申し訳ありません。 しかし、ことの危険性を大まかに怖がるのではなくて、ひとつひとつひもといて考えるとそこまで怖がることはないことも多いと思います。
お礼
ご回答ありがとうございます。 まず母体についてのご考察ですが、「毒」というより、個人的な感覚では「喫煙者との性交は相当な忍耐を伴うもの」なので、その忍耐自体が悪影響にはなり得るな、という気がします。 胎児がどれほどの影響を受けるかは、No.3の回答者様がお書きくださったことで納得できました。 成人でも、平気で煙草を吸える人・どうあっても吸えない人・どちらでもない人など様々ですので、胎児にもそうした違いが当然見られることと思います。 怖いのは後代への悪影響もさることながら、煙草会社さんがこうした影響を調べていないこと(さすがにそれはないと思いますが)、また国が煙草を強く抑制しないなどの現実、それから研究が成されているのに、結果が大きくは発表されないことや、喫煙者の危機感が決して高くないことだと思いました。
- Tacosan
- ベストアンサー率23% (3656/15482)
乱暴にいえば, 「女性は胎児を育てるという仕事があるために問題になるが, 男性はそこに関与しないので問題にならない」ということになるかと. 「喫煙する女性における妊娠リスク」の機構って, 本質的には「ニコチンなどが胎児に入る」というものじゃなかったっけ. もしそうなら, 「喫煙する男性の精子を受精した場合のリスク」って 0 ですよね. 原理的にいえば精子に対する影響はあるけど, 基本的には「奇形を持つ精子で受精することはない」ので....
お礼
ご回答ありがとうございます。 ジェンダーの問題ではないか、ということですね。 >原理的にいえば精子に対する影響はあるけど, 基本的には「奇形を持つ精子で受精することはない」 というのは、視認できるレベルで奇形が発生している精子ならそうでしょうけれども、DNAレベルだと違う可能性がありそうですね。 しかし自分の代の単純な話としてだけ考えれば、たしかに奇形のある精子で受精する可能性さえなければまったく問題なさそうです。
- tomy41
- ベストアンサー率22% (322/1401)
聞いたこと無いですね。 チラホラと影響が疑われる事例があるなら研究するでしょうし、 危険性があるのに放置されているならマスコミが騒ぐでしょう。 それが無いということは「影響が無い」と判断するのが適当だと思います。
お礼
ご回答ありがとうございます。 しかし事例があってもなんらかの理由があって研究がなされない事柄も多く存在しますし、 マスコミの騒ぐ騒がないは、影響がないことの根拠にはなりえません。
お礼
ご丁寧な解説、ありがとうございます。 ベンツパイレンというのは「煙草の包装紙が燃えた時・魚を焦げるまで焼いた時に発生する化学物質」ですね。 喫煙行為がDNA配列に与えた影響が、のちのち当該種に固定される可能性は捨てきれないということですね。 直接的に配偶者である母体に影響がないとしても、将来的なリスクは負うことも「考え得る」というのは、予想されてしかるべきことと思っておりましたので、tomi-chan様のご回答で納得がいきました。 どうもありがとうございました。