ありません。
温度は巨視的(われわれの普通に経験する大きさ)な量ですが、微視的(原子・分子のスケール)に見ると、分子の持つエネルギーと関連します。温度の高い物体と低い物体で何が違うかというと、高温の物体の分子の持つエネルギーが、低温の物体の持つエネルギーより大きいのです。
分子の持つエネルギーの下限は、0です。分子の動きが止まってしまえば、エネルギーは0になります。(量子力学的効果で、実際には分子の動きが止まることはないのですが、ここでは触れません)このときの温度が「絶対0度」で、分子が止まっているのより小さいエネルギーはありませんから、これより低い温度は存在しないことになります。
一方、分子の持つエネルギーの上限はありません。いくらでも大きなエネルギーを持つことができますので、温度の上限もないことになります。
※宇宙全体の持つエネルギーをただ一つの粒子に集中させたときのエネルギーというものが考えられるとしたら、その粒子の持つエネルギーに対応する温度が温度の上限であるといえるかも知れません。それ以上のエネルギーを持った粒子がないからです。
ただ、そんなものを考えることができないので、普通は「温度の上限はない」というようです。