昔は青酸カリはどう扱われていたのでしょう?
現在、青酸カリが送りつけられる事件が発生しているというニュースを見て、「これは、多分出所が限られるだろうから、怪しい人物はいずれ絞り込まれるだろうな」と考えていて、ハッとしました。
30数年前に私が知識不足でうっかりしたことを口にして恥をかいた記憶が蘇ったためです。
当時、高校生だった私は書店で購入した家庭でも出来る七宝焼の技法解説の本で見つけた銅板をメッキする技法を試したくなり、薬局に行って、本に書いてあった通りに「シアン化カリウムとシアン化金カリが欲しいんですが…」と言ったところ、薬局のおばさんに「そんなものを売れるわけないでしょう!」と言われて「なんで?!」と衝撃を受けました。
家庭でも出来ると紹介されていた技法のための材料として初心者向けの市販の本に載っていた薬品を買おうとしただけで「何てことを言い出す子なんだろう」という目で見られるとは夢にも思っていなかったからです。
多分、その時点で、その本は発売から何年も経ってしまっていたのだろうとは思いますが、他にも、当時読んだコメディータッチのコミックで、ノイローゼ気味になった先生が生徒に「青酸カリを飲んだらどのくらい苦しいんだろうな?」と尋ねると生徒が理科室にあった青酸カリのビンを手に持って「血液中のヘモグロビンと…」とサラッと解説するシーンも描かれていたので、当時は一般人でも比較的簡単に青酸カリを手に入れられる時代から現代のような厳重に管理される時代への過渡期だったんだろうと思います。
実際、その頃、父の知人が化学薬品関連の仕事をしていたのでその方に「こういう訳で薬局で手に入らなくて」と話したところ、「分けてあげてもいいけど、使い終わったら普通に捨てると大変なことになるから業者に依頼して処理することになるけど、薬品代と合わせて何万円もかかるよ」と言われて金銭的な理由だけで諦めたという経緯もありましたので、廃棄法は厳しく定められてはいても一般人の入手自体は違法ではなかったのだと思います。
かつては青酸カリは殺鼠剤としても一般家庭で使われていたと聞きますし、私が読んだ七宝焼の本には処理方法に規定があることも書かれていませんでしたので、昔は普通に流し台から排水してしまっても良かった時代もあったのではないかと私は考えていますが、そうではないのでしょうか?
もし、昔は青酸カリの購入も廃棄も規制がなかったとすると、私が薬局で白い目で見られたり父の知人から処理方法について説明されるような時代になるまでに何か事件でもあって規制が強化されたのかなと思うのですが、いつ頃、何がきっかけで、どのような順序でシアン系の薬品は一般人が簡単に扱えないものへと移り変わって行ったのでしょう?
経緯をご存知の方がいらっしゃいましたらご教示いただきたく、どうかよろしくお願いいたします。