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ピーマンやパプリカの実の空洞にある気体は何ですか?
お料理をしていて、パプリカを切ったときに、ふと疑問に思いました。 パプリカやピーマンは実の中に空洞がありますよね。そしてその空洞は外の世界(大気)とは完全に切り離されているように見えます。この空洞の気体の成分(組成)はどうなっているのでしょうか、というのが今回の質問です。 微量成分も含めて大気と同じなのでしょうか。同じならどうやって入ったのでしょうか? 大気と違うのなら、それは何がどのくらい入っているのでしょうか? 私の予想では、この気体は植物が生み出したものだと思うので、酸素か二酸化炭素ではないかと思うのですが、ピーマンはともかくとして赤や黄色のパプリカの実に葉緑体はなさそうなので、二酸化炭素かなあと思っています。 でもそうすると、よく中で幼虫が生きていることの説明が付きません。酸素はどこから来るのでしょうか。 よろしくお願いします。
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#1です。 すこし書き方がまずかったかなと思っていたところ, #2さんが的確につっこみを入れてくださり助かりました。 これ以外に2点ほど補足をさせてください。 その1。 最初のリンク先の記述に関して。 緑,黄,赤のピーマンに含まれる気体中の酸素と二酸化炭素の容積比を示した上で, 一般の乾燥した空気に比べて >僅かに酸素が少なく、二酸化炭素が多い。また緑色のピーマンの酸素濃度も若干高い。 >いずれも、光合成の影響によるものかもしれません。 と結論づけています。 しかし,酸素が少なく二酸化炭素が多いということなら, 呼吸の産物が光合成の産物を上回っているということでしょう。 たしかに他の2色に比べて緑ピーマン中の酸素が多く二酸化炭素が少ない点は 光合成量の色による違いを窺わせますが, 収穫時期や収穫後の保存状態によっても変動しうる数値の差を云々しても あまり意味はないかもしれません。 その2。 クロロフィルは赤パプリカには含まれないと書きました。 しかし2つ目のリンク先のレポートの実験データをよく見ると, 赤パプリカからもクロロフィルaが検出されています。 パプリカを育ててみるとわかりますが, 赤でも黄でも果実が未熟なうちはみな緑色をしていて クロロフィルを含んでいることがわかります。 それが成熟とともに減少し,他の色素が優位になっていくわけです。 赤パプリカは成熟の過程で クロロフィルの緑とカプサンチンの赤が同居してどす黒く見える時期があります。 紫パプリカなど未熟なうちから暗色に見えるものも 当初はクロロフィルが含まれているようです。 果実の成熟度しだいでどの色のパプリカからも クロロフィルが検出される可能性はあるということです。 蛇足ですが,下記URLでは 「ピーマンの実やスイカの皮は光合成をするか?」というテーマで行なわれた 市民向けの公開実験が紹介されています。 このページを含むサイトは光合成の研究に関する優れた情報源になっています。 ■光合成の森/光合成実験室 http://sunlight.k.u-tokyo.ac.jp/photoex.html
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- nakaizu
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誤解されているようなので、補足します。 カロチンは光合成に関与していますが、光合成をしているのではありません。 光エネルギーをクロロフィルに集める手助けをしているだけなので、クロロフィルがないと光合成できません。 アントシアンやアントシアニンは光合成とは無関係と思われます。
お礼
ありがとうございます。誤解していました。 アントシアンはともかくとして、カロテンは光合成色素という名前で呼ばれているようなので、光合成するのだと思っていました。
- Diogenesis
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同じような疑問を持つ人はいるようで, 下記URLではクイズ形式でその疑問に答えています。 ■町人思案橋・クイズ集 http://blog.q-q.jp/200710/article_14.html 結論を言えば, 空洞を満たしているのは基本的には大気と同じ空気であり, それに植物自体の活動から生じた酸素や二酸化炭素や水蒸気が多少混じっているということのようです。 >その空洞は外の世界(大気)とは完全に切り離されているように見えます。 肉眼ではそう見えるだけで, ミクロのレベルでピーマンやパプリカの内部と外部はつながっています。 >赤や黄色のパプリカの実に葉緑体はなさそうなので クロロフィル(葉緑素)は赤パプリカや紫パプリカには含まれませんが, 黄や橙のパプリカには含まれています。 またクロロフィルを持たないものでも, カロテンやアントシアニンといった光合成色素を含んでいます。 ■パプリカの色と色素の関係 http://www.innoshima-h.hiroshima-c.ed.jp/full/H19-2007/H19citrus2/reportbio.pdf
お礼
ご紹介のサイトと合わせて読み、よくわかりました。気孔からは、選択的でなく、すべての空気が入ってくるのですね。それが、細胞と細胞のすき間を通って、ピーマン内部まで到達するというわけですね。 ということは、汚れた空気(NOxなど)の中で育てると植物の中にも(空洞だけでなく、可食部にも)汚れた空気が入るということなんですね。 それから、光合成色素はクロロフィルだけではないということを忘れていました。黄色パプリカでも、光合成しているのですね。 どうもありがとうございました。
お礼
くわしい説明ありがとうございます。 酸素や二酸化炭素の割合の解釈についてはおっしゃるとおりだと思います。サンプル数も書いてないので、各色1個だけの数値だとすれば、光合成の影響だと結論づけるのは無理があると思います。大気とそう変わらないということがわかったのだと解釈しています。 私としては、やはり、大気が実の細胞のすき間を通って空洞部分まで運ばれていくというのが驚きでした。細胞と細胞の間は細胞壁があって、ぴっちりしている様子しか顕微鏡で見たことがなかったので。 この細胞壁自体にすき間があるということでいいですか? (細胞膜は半透膜ですが、細胞壁は全透膜ですからすきまだらけなんですね。) 光合成の森のご紹介もありがとうございました。お気に入りに入れました。