海外で印刷する場合、一つはコストを押さえるということ、あとは、元になっている本が洋書の場合、海外の出版社が増刷するときにその増刷にあわせて日本版のする場合があります。
前者に関しては説明の必要がありませんが、後者については、たとえばカラーページを新たに日本で作り直したり、改めてレイアウトしなくてもいいというメリットがあります。しかし、デメリットとして、文字ページや文字の部分の寸法を元の本と同じにしなければならないという作業の煩雑さを伴います。しかし、新たに印刷用のフィルムを起こす必要がなく、また増刷ということになりますから、印刷コストは大幅に押さえることができます。
あとは、デメリットの問題ですが、印刷所とのやりとりに時間が少々かかるので、校正がしにくいということがあります。また、民族によって色味に対する感覚が違うので日本で仕上げるのとは違う色味になってあがってきたりすることもあります。たとえば欧米は赤みが強い印刷になってあがってくることが多く、対して日本の印刷は青っぽいと言われることがありますね。ですので、こちらの思っている通りの仕上がりにすることが日本の印刷所で仕上げるよりも若干難しい場合もあります。
また、デメリットですが、海外で印刷すると当然日本には船で運びこむことになるわけですが、その分の余計な手続きも増えます。冗談みたいな話ですが、台風で船が入港できなくなってしまい、納品が遅れたと言うこともあります。
品質管理の問題もありましたが、最近ではかなり向上していますのでかつてほど心配しないでもよくなってきました。
余談ですが、大手の印刷会社も近年海外に印刷工場を持っていたり、印刷会社との提携関係を強化しているので、日本の印刷会社にコスト面の相談をして海外の工場で印刷ということもありますよ。