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結合距離について
水分子の結晶構造・・氷Ih(Ice ih) これで検索すると科学者のURLから簡単にその構造を知ることができるが、この結晶構造には『結合距離』という意味不明な空間が存在する。結合する方向に空間を保つのであるから物理的に存在していることが不可解なのである。 もう1つはこの結合距離は液体でも存在しているらしく、液体中の水分子は空間に浮いている状態を想像してしまう。この結合距離は物質ではないので圧力をかければ圧縮できそうに思えるのだが現実の水は圧縮できません。液体の水は非常に粘度が高いと書かれているのとはかけ離れたものになっていると考えます。 これはどのように解釈すればいいのでしょうか?
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科学の一般向けの非常に良い論文ですね。流し読みしただけでも、こんな研究やりたいな、と思わせる総説です。↓ http://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/8327/1/TEION141-156.pdf >この結晶構造には『結合距離』という意味不明な空間が存在する… 別に意味不明ではありません。分子結晶は化合物分子がファン・デル・ワールス力(ロンドン分散力とも呼ばれる専門家でも物理に強くないと分け分からん力)で整然と並んでいます。なお今回のテーマ「氷」ではファン・デル・ワールス力に加え、水素結合が大きな比重を持ち、強固な格子を作っています。 ご指摘の「結合距離」の部分には「何もありません」。結晶を作る凝縮力と分子同士の反発のため、分子間には隙間があります。特に氷の場合水素結合の酸素-水素-(隣の)酸素(O-H…O)が一直線に並び、全体として「ダイアモンド構造(格子)」を作っています。そのため氷では特に隙間が多いです。 そのため水の体積は4℃付近で極小となり、凍ると体積が増えてしまいます。 液体の水の場合でも分子同士はファン・デル・ワールス力と水素結合で凝集しており、その沸点100℃(水の分子量18.015)は似た構造・分子量のアンモニア(分子量17.03、沸点-33.35℃)やメタン(分子量16.04、沸点-162℃)に比べ非常に高い。アンモニアは多少水素結合があり、メタンには全然ない。 そんな水でもびっちゃりくっついている訳ではなく、ゴツゴツとぶつかり合っています、これが水の温度の一部。ぶつかるのも分子同士が直接ぶつかる(剛体近似)訳ではなく、分子間に余裕があります。 >現実の水は圧縮できません… 実際の水は1万気圧程度で10%ぐらい縮みます。 >液体の水は非常に粘度が高いと… マクロな水は粘度が高く、ミクロな装置の中でも非常に粘ちょうです。でも、分子まで降りていくと狭い空間で暴れ回っています。 いずれにせよ、ご引用の総説は結晶のひずみが分子レベルで相変化してまた戻る不思議な現象を分かり易く説明した極めて美しい論文です。
お礼
ご回答ありがとうございます まず・・ >実際の水は1万気圧程度で10%ぐらい縮みます。 この部分なのですが実際にはどこまで縮むのでしょうか? 温度というのは分子の運動量・・この運動量が増加することで分子間に運動による空間が生じることで体積が増加するのは物理的に理解できます。 問題なのは水が摂氏4度で密度が最大であること ここから結晶となる氷までも密度は低下しています 結晶となれば氷Ihの構造を見ても理解できるように正4面体で結合するのですから体積が増加するのは今度は構造として物理的に増加するとなります。 すると、水が1万気圧で1割ほど圧縮できるにせよ大気圧下ではこの力の作用は働いておりませんから、摂氏4度から結晶になるまでの密度の低下はどうなるのかとなります。 で・・ファン・デル・ワールス力と言われる難しい力学ですが 力学であるからにはベクトルでその力関係は表せなくてはなりません 氷Ihという結晶構造を物理的に結合しているのですから当然ながら水分子間では水素結合のベクトルは示すことが出来ます。 水素結合のベクトルは分子間を引き合う方向に向けられファン・デル・ワールス力という力学のベクトルもこれと反対向きに示すことが可能でなくてはなりません。その上で結合距離という空間が存在できる物理的根拠が証明されるとなるのでしょうが、現在の段階では同極を向けた磁石に水素結合で結合している状態にしか物理的推測が出来ません。 当然ながら水素結合はこのファン・デル・ワールス力よりも結合力が弱いために分子間に空間が発生していることになるのですが、この氷に1万気圧を加えれば氷Ihの構造を崩さずに圧縮できるとなりませんか?