「私はこの質問を友人からされて、言葉につまってしまったので」と言う部分について回答してみたいと思います。
まずなぜ人を殴ったり悪口を言ったりしてはいけないかということは説明できますか。
もしできるのであれば、なぜ人を殺してはいけないかも説明できます。
理由は同じだからです。
ではなぜ、人を殺してはいけないのかと問われたときにだけ言葉に詰まってしまうのかというと、それはすでに死んだ人間を思い浮かべても、死者に対しては手ごたえを感じないからだと思います。
たとえば、人が殴られたり悪口を言われているところを想像して痛そうだなと感じることは可能です。
ですが、すでに死んでしまっている人間が殴られたり悪口を言われているところを想像すればわかりますが、痛そうだなと感じることはできません。手ごたえを感じないのです。
人間と言うのは善悪の判断を行う際には、悪いことが行われた後、つまり被害者が苦しんでいる状態を思い浮かべてそれが悪いかどうかを判断しているのです。
これを死んだ人間に当てはめてみると、すでに死んでしまっている人間の苦しみを想像することは不可能です。
手ごたえを感じないのです。
つまりなぜ人を殺してはいけないのかと問われたときに言葉につまるのかは、善悪の判断基準が人間が苦しむかどうかを思い浮かべて行われてるがゆえの錯覚なのではないかと思います。
この錯覚を防止するには殺されたあとではなく、まさにこれから殺されようとしているところを想像すれば解決できるかもしれません。