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暗黒エネルギーについて
こんにちは、 現在、宇宙が加速膨張していることがわかりつつあります。 また、最近の宇宙論の本(暗黒宇宙で銀河が生まれる:谷口義明先生著) を読みますと、 P73に 我々の知っている元素 4% 暗黒物質22% 暗黒エネルギー74% と具体的な数値が記載されています。 質問 1.この数値は、宇宙の加速膨張を記述するフリードマン方程式(宇宙項入り)から 導かれたものなのでしょうか? 2.フリードマン方程式に宇宙項を導入することは、未知のエネルギー源 (=暗黒エネルギー)を必要とすることになるのでしょうか? 3.暗黒エネルギーは個人的に抵抗があります。宇宙論学者の100%の方がこの暗黒エネルギーを、素直に受け入れているのでしょうか
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No.1さんの回答に捕捉しておきます。 具体的に示されている値は、NASAのWMAP観測衛星の観測データから求められた推定値です。D.N.Spergel et al., Astrophysical Journal Supplement, 148(2004) 175ほか。 正確に計算してみると、バリオン(私達の知っている物質)は4.4±0.4%、ダークマター(暗黒物質)は23±4%、ダークエネルギー(暗黒エネルギー。宇宙定数?)は73±4%程度の誤差を含んでいます。 この辺りの詳細な理論的な議論は、須藤靖氏の一般相対性理論入門の最終章で行われており、入門と銘打ってあるが高度な内容を含んでいます。 ダークエネルギーに関しては、密度パラメータと呼ばれる無次元の値によって推定されており、この正体は不明なのです。 とりあえず、現在のところ暗黒エネルギー=真空のエネルギー=空間自身の持つエネルギー(真空の量子場)という仮説が提唱されており、これに関しては、まだ未知なのです。 現在、超弦理論を初めとして、標準理論の次の大統一理論等の研究が進められており、そこから暗黒エネルギーを初めとして暗黒物質の導出に向けた研究や観測、実験が進められているのです。 宇宙論学者のうち、100%が受け入れているという保証はありませんが、観測データから見る限りにおいては、受け入れざるを得ないという人も多いと思います。ただし、素粒子などを専門にする方や純粋に一般相対性理論を研究している方の中には、抵抗感のある方も居ることは確かでしょう。
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アインシュタインの厳密解のひとつ、ドジッター解って分かるかな。 http://www.a.phys.nagoya-u.ac.jp/~taka/lectures/cosmology/webfiles/cosmology-web/node245.html >今日の宇宙論学者はΛのことを好ましくないものと思っている これは少し行過ぎた解釈だと思います。 宇宙項をダイナミクスな方程式に変える事も十分可能かと考えます。 厳密解として。 http://www.astroarts.co.jp/news/1999/03/990316NAO243/index-j.shtml 別にこれを否定している学者様はいないようです。 アインシュタインは間違っている。 こう言う学者も少ないと思います。
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お返事有難うございます。 了解しました。
全て人工衛星での細かな観測値です。 アインシュタイン方程式は、そこの曲率kを導き出す方程式です。 フリードマン解は、運動方程式です。 フリードマン解を導き出し、ここから強引に宇宙項を外す方程式を構築すれば、ニュートンの運動の法則に従います。 この結果からダークエネルギーを抽出するのは困難です。 むしろ、宇宙項=ダークエネルギーとするとすんなり理解出来ると思います。 暗黒エネルギー=真空のエネルギー=空間の持つエネルギー こう解釈すればすんなり受け入れられると思います。 見えない、正体不明の力です。 未だ仮説に過ぎませんので、真実を追究しているのではないでしょうか?
補足
お返事有難うございます。 了解しました。
補足
お返事有難うございます。 >具体的に示されている値は、NASAのWMAP観測衛星の観測データから求められた推定値です。D.N.Spergel et al., Astrophysical Journal Supplement, 148(2004) 175ほか。 了解しました。 >この辺りの詳細な理論的な議論は、須藤靖氏の一般相対性理論入門の最終章で行われており、入門と銘打ってあるが高度な内容を含んでいます。 参考に読んでみます。 >ダークエネルギーに関しては、密度パラメータと呼ばれる無次元の値によって推定されており、この正体は不明なのです。 了解しました。 >宇宙論学者のうち、100%が受け入れているという保証はありませんが、観測データから見る限りにおいては、受け入れざるを得ないという人も多いと思います。ただし、素粒子などを専門にする方や純粋に一般相対性理論を研究している方の中には、抵抗感のある方も居ることは確かでしょう。 暗黒エネルギーは、観測データから必要ということなのですが、 暗黒エネルギーを理論に採用することで、問題はないのでしょうか? 例えば、「宇宙論はいま」(丸善)の、「不思議な物質、クィンテセンスとは何か?」p144を見ますと、「ダークエネルギーは銀河による重力をどういうわけか感じない。 小さなゆらぎが、たとえば銀河の中心の密な領域で成長しないのはなぜか? この問いに対する確たる答えがわからない。」と記載されています。 同じページに「今日の宇宙論学者はΛのことを好ましくないものと思っている、、、120桁食い違いが生じる」と記載されております。もし宇宙の加速膨張の観測結果が無ければ、宇宙論学者は、宇宙項Λを、方程式に入れたくなかったのでしょうか?また入れなくても問題はないのでしょうか?