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妊婦さんの病院たらい回しについて
奈良県で、妊婦さんが救急車で病院の診療や入院を拒否されて、本人が亡くなったり体内の子が死産したりしましたが、産婦人科の医師の不足が原因とマスコミがとりあげていますが、昔はお産婆さん(今で言う助産婦さん)が自宅に来て生んだのが、当たり前のことでした。しかし、今は、病院で産むことが、多くなりました。そこで、産婦人科の先生が少ない分、助産婦さんを有効に使うことが出来ないのですか。法律上かそれとも日本医師会の関係で難しいのか、教えてください。
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助産師の資格自体を持っている人は5万人以上おられるようですが、実際に働いているのはその半分。またその大多数は病院勤務です。助産院での出産は全出産の1%程度しかありません。99%が病院です。院内助産院という体制で助産師を積極活用している事例もあるようですが、どちらにせよ産科医は常にそばにいます。助産院も産科医との提携が義務付けられること(これはつい最近ですが)になり、産科医不足のためその提携すらままならない事例が増えています。 助産師も産科医も人数が少ないということもありますが、独立型の助産院にしろ院内助産院にしろ、産科医がいないことには始まらないということです。 また助産師の育成コストとしては、おそらく産科医を育てるよりも安く抑えられるとは思いますが、出産コストに関しては同じです。下手すりゃ病院よりも助産院の方が高い場合もあります。これは公立病院の出産費用が異常に安く抑えられているため、それが相場になってしまっているからです。東京の皇族や芸能人が利用する超一流有名の産科だと100-200万が標準料金ですが、巷の公立病院なら30-40万が相場です。その分は自治体からの補助やスタッフをギリギリまで減らすことで成り立っているわけで、安易にスタッフを増やすという案は簡単に成立するものではありません。 産科に限らずですが日本の医療スタッフは世界平均に比べても異常に少なく抑えられています。一人のドクターが診る患者の数も飛びぬけており、これが例えばアメリカだとどうなるかというと、診療しすぎということで医者は保険に入れません(過剰労働なのでミスる確率が高いからと拒否されます)。 ※ただアメリカ並に医療スタッフを充実させると今度はどうなるかと言うと患者側の医療保険が高すぎて、重い病気にかかると破産することになります。 >昔はお産婆さん(今で言う助産婦さん)が自宅に来て生んだ だった時代から産科医主導型に移り変わることで、日本の周産期医療は世界でもトップクラスの成績を残すようになりました。ということで昔のように助産師を主流にするなら、当然ですが、母体・胎児の死亡率は昔の数字に戻るだけ。助産師は字義通り、産むのを助けるだけの訓練を受けているだけですので、リスクが高い、事態が急変した場合は対応できません。 別の回答でも書いたことですが、大部分の出産は正常に始まり正常に終わります。但し、(他の病気もそうですが)出産は特に産むまでは異常があるかどうかが判断がつきにくいという特徴があります。仮の数字として、80%が正常、10%がハイリスクと最初から判明、9%が途中で急変、そして1%がどうやっても助からないケースと分けたとします。 この場合なら正常80%の大部分を助産師が診ることにし、80%の残りとハイリスクの10%を産科医に割り振ることにすれば、資源の効率的な有効活用といえます。しかしお産婆さん制度に戻すなら、(産科医に最初から任せておけば助かる事例の)急変の9%も運が悪かったとして諦めさせなければなりません。しかしながら現状は、最初から助からない1%ですら問題になるわけで(奈良の大淀病院の事例などまさにそう)、急変タイプの9%の大部分は助産院で死ぬことになるのに、そのコンセンサスは果たして得られるのでしょうか。 助産師の人数自体が少ないのは、これは産科医が少なくなっているのと同じ理由です。24時間対応を強いられる、出産費用が安く抑えられている、訴訟リスクが高い、こういった構造があるのでまずなり手がいないわけで。仮にこの構造が改善されるのであれば、それなら助産師を増やさなくても、ほっといても産科医が増えていきます。
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- 88888888ai
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奈良県の妊婦さんの場合、産婦人科の医師不足ももちろんありますが、本人が24週にもなっているのに産婦人科にかかっていなかったことも大きな問題です。自分の体と赤ちゃんを大事に思っているなら、病院にかかっていたはずです。 さまざまな科の中で、産婦人科の訴訟率はダントツです。昔お産婆さんが診ていたら亡くなっていたような赤ちゃんが、たくさん助かるようになり、元気に生まれて当然と思っている人がほとんどです。これはマスコミの責任もあると思います。 そのため産婦人科のなり手が減っているのです。 このような状況下で助産院で取り扱う分娩は合併症がなく、正常分娩が予想されるものしか扱えません。また、助産院での分娩で異常があった場合も医師が診ないといけません。 少子化であり、また完璧な医療を求めることの多くなった現在、病院での分娩希望者が圧倒的多数であり、助産師が医師の代わりになれるとは思えません。 重症患者を見ることの出来る産婦人科医師を増やさないことには、この問題は解決しないと思います。
お礼
ありがとうございます。簡単には、解決しない問題だとわかりました。普段からかかりつけの病院があったほうがいいかなあと思います。
- shinta0x
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まず産婦人科医と助産師さんの絶対数が足りない事。そしてこれらに従事する人の60%以上が女性であり、結婚や出産で退職して潜在的助産師さんに移行する事が多い。 一番致命的だった事が「堀病院の無資格助産行為」を契機に、産婦に対する内診は、診療の補助行為ではなく、助産であると断定された結果、看護師の内診は、違法であるとの「看護課長通知」が出された事です。 (医師立ち会いの下で)助産師さんが内診を行う事も刑事罰対象になってしまいました。この通達前までは医師と助産師さんで何とか産婦人科は機能していたはずです。 この通知は医療被害の立場からならまだしも、(厚生労働省の)利権の臭いがするために、日本産婦人科医会等からもかなり批判を受けているものです。 これについては「看護課長通知 問題」などで検索すると色々でてくるので一読を。
お礼
堀病院の問題が今になって影響しているんですね。私は、現場を知らないキャリア官僚がこんな通知を出してるなんて知りませんでした。現場の病院もおっかなくて積極的には出来ないですね。ありがとうがざいました。
- tinycat19
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出産したときの経験ですが、十五年ほど前でも、飛び込み出産は六人いれば公立の産婦人科なら、二人ほどいました。 そういう人たちと言うのは、入院申込書を出産後一週間ほどたってから、看護師に言われて書いているのです。中には、出産費用は私費になるから、まったくの偽名で掛かっている人もいます。両親が見舞いに来て、あれ、ということで、病院側にわかると言う具合です。 昔から、そういう体制で、公立などは人道的見地から、許していたのもあるのでは。 Lupinussさんが、上げていた新聞記事の県のお話です。 生まれた子供の責任を放棄するというのも、そういう人がするのをやっぱり見たことがあります。 普段から、きちんと医師や助産師に顔を見せて、納得のいく医療体制で、出産すると言うのは、双方にとっても大事だと思います。 最近、入院費用を踏み倒されるというのもよく耳にしますね。 それでも、公立の病院なら断れないのです。このままでは、昔でもスラム化していた、公立の産婦人科がさらに、スラム化してしまいます。 ボトムアップのため、国が対策に乗り入れて、なんとか国民全体に医療がいきわたるように、それから踏み倒しなどのモラル低下を招かないように、努力してほしいです。
お礼
ご回答ありがとうございます。厚生労働省の旧厚生関係の医療費の抑制の原因でもあると思います。他にも、介護保険にも影響が出ているのではないでしょうか。
- taikon3
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産婦人科の医者が少ない以上に、産婆さんや助産婦が少ないんです(^_^; あと、何かあるとすぐ医者を訴える人が増えたので、それを避ける為に産婦人科医になる人が減りました、これも原因の一つ。 法律や医師会が強制しても職業選択の自由という憲法があるかぎり、おまえ産婦人科の医者になれ!と命じる事はできませんから、医者不足は続きます。
お礼
回答ありがとうございます。昔は、赤ちゃんが死んで生まれるのが、今より多かったのに、よっぽど過失がない限り訴えなかった。今は、何が何でも無事に生まれるのが当たり前に成りました。それがきびしいですね。
助産婦をもっと活用しようという動きもあるようですが、 妊婦のたらい回し事件の本質は他のところにあるような気がします。 このニュースを見てください。 http://news.livedoor.com/article/detail/3289621/ http://mytown.asahi.com/kanagawa/news.php?k_id=15000160708270002 これではたらい回しにされてもしかたありません。 全てがこのような例だとは思いたくないですけどね。
お礼
回答ありがとうがざいます。産婦人科の先生が不足だけのことだと思いましたが、拒否する理由がこのニュースの中にあるなんて知りませんた。
- y-honey
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日本の産婦人科医って本当に優秀だと思います。 でもあちこちで産科が廃止されたり産婦人科医自体を 志さない医学生は少子化とは違う面も大きいですね。 いろいろあちこちで議論もされていますが 何かあった場合の補償、裁判関係が結構ネックです。 友人は産婦人科というよりは助産婦院(?)で出産しました。 産婦人科の人と協力しているようなので 心配はなかったそうです。 最初、ご主人の母親がそんなところで、産んで平気なの? と心配されていました。ちょっと険悪な状況になりかけましたが 当時彼の七十歳のおばあちゃんが、うちはずっとお産婆さんで 産んだ、と強く、豪快に笑い飛ばしてくれたそうです。 私のところも先生は最後にいてよかった程度で助産婦さんに 本当に励まされました。でもこちらもなかなかなり手がないと こぼしていました。やっぱり激務なんですね。
お礼
早速のご回答ありがとうがざいます。産婦人科の先生と助産師の協力がないとうまくいかないのですね。
お礼
詳しいご意見をありがとうございます。この頃、厚生労働省の厚生の方が不祥事が多く組織がうまくいっていないようですね。皆さんの誠実な回答を感謝しています。こんなにすばらしい回答者に出会ったのは、初めてです。本当にありがとうございます。