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二量子遷移とESR
三重項ESRのスペクトルで、Δms=±2の遷移(低磁場側)と二重量子遷移(中間磁場)があるのですが、何がちがうのですか?
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> 何かよい文献などありましたら教えていただけたら幸いです。 じつは私も二量子遷移についてはよく知らなかったりします。よく知らないまま回答するのはいけないなと思いまして、ANo.1を回答するときに参照したのが、参考URLの下の方にあるpptファイルです(Lectures from Prof. Dr. Manoharan (ppt files) の“Forbiden Transitions”の方です:私の環境では問題ありませんでしたけど、ダウンロードは自己責任でお願いしますね)。 よい文献があれば、私もきちんと勉強したいなあと思うのですけれど、思うだけであまり真面目に探したことはないです。ごめんなさい。とりあえず手元にあった論文を紹介します。 [1] Pieter J. van Dam, Adri A. K. Klaassen, Eduard J. Reijerse and Wilfred R. Hagen, "Application of High Frequency EPR to Integer Spin Systems: Unusual Behavior of the Double-Quantum Line", Journal of Magnetic Resonance 130, 140-144 (1998). [2] David Collison, Madeleine Helliwell, Victoria M. Jones, Frank E. Mabbs, Eric J. L. McInnes, Peter C. Riedi, Graham M. Smith, Robin G. Pritchardd and Wendy I. Cross, "Single and double quantum transitions in the multi-frequency continuous wave electron paramagnetic resonance (cwEPR) of three six co-ordinate nickel(II) complexes: [Ni(EtL)(2)(Me(5)dien)] and [Ni(5-methylpyrazole)(6)]X-2, X = (ClO4)(-) or (BF4)(-). The single crystal X-ray structure at room temperature of [Ni(5-methylpyrazole)(6)](ClO4)(2)" Journal of the Chemical Society, Faraday Transactions 94, 3019-3025 (1998). 文献[1]のFig1Cが教科書的なスペクトルです。論文タイトルに Unusual Behavior とありますけど、スペクトル強度に関する異常なので、その部分はとりあえず飛ばして読めばいいとおもいます。 文献[2]にはスペクトルがいっぱい載ってます。中身はちゃんと読んでないのでよくわかりません。
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- 101325
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低磁場に現れる half-field transition も二量子遷移も、どちらもΔms=±2の遷移でD値に依存しない鋭い共鳴線になるのは同じなのですが、吸収するマイクロ波のフォトン数がちがいます。 その結果、共鳴磁場も違ってきます。ms=1とms=-1のエネルギー差をΔE、マイクロ波の周波数をνとすると、低磁場に現れる half-field transition は一量子遷移なので、フォトン1個分のエネルギー差になる磁場で共鳴が起こる(ΔE=hν)のに対して、二量子遷移では2個のフォトンを同時に吸収して遷移が起こるので、フォトン2個分のエネルギー差になる磁場で共鳴が起こります(ΔE=2hν)。 あと遷移確率(共鳴線を観測するのに必要な条件)も違うはずですけど、こちらに関しては、詳しくは知りません。ごめんなさい。
補足
101325さま いつも本当にありがとうございます。 違いは吸収するマイクロ波のフォトン数が異なるということ、それによって共鳴エネルギーに差ができ共鳴磁場に違いが出るということはよく理解できました。 そこでこのような記述がある文献を探そうと思ったのですが、なかなか見つかりません。何かよい文献などありましたら教えていただけたら幸いです。
お礼
101325さま お礼が遅くなってしまい、申し訳ありません。 勉強してみます。 ありがとうございました。