こんばんは。
多くの鳥の仲間が夜間に渡りをしているのは事実です。これから秋になって、10~11月になると、ツグミ類がシベリア方面から日本に渡来しますが、私の住んでいる東京近郊の住宅地の町でも渡りの最盛期(なのでしょう)には毎夜のようにツグミ類の声が夜、空から聞こえます。またシギ・チドリ類という、湿地に住む鳥の仲間も夜、渡っていて、8~9月ごろには同じく夜に声が聞こえることがあります。
小鳥類の「鳥目」というのは不思議で、夜間渡りをすると言われる仲間でもやはり暗いと活発ではなくなります(たとえば、そういった小鳥を室内にカゴを置いて飼育していて、カゴから間違って出てしまったとき、部屋が明るいままではなかなか捕まりませんが、部屋を暗くしてやると、おとなしくなって捕まえやすくなります)。ですので、夜には確かにものが見えづらくなるのでしょうが、大空を渡ることは出来る程度には見えるのでしょう。
シギ・チドリ類は明らかに夜間、目が見えます。これらの鳥は、海岸の干潟で餌を取りますので、昼か夜かで行動を決めているのではなく、潮汐に合わせて行動を決めています(干潟が出ていれば夜でも餌を取るし、潮が満ちていれば昼でも休む)。ですので夜も目が見えるし、飛ぶのも何でもないのでしょう。
悪天候については基本的に避けて渡っているのだろうと思います。渡りをする小鳥の中継地として知られる離島などでは、好天続きだと鳥が少なくてバードウォッチングはつまらなく、悪天候の後の好天の日は、沢山の鳥が見られてバードウォッチングが面白い、などという現象があります。これは好天続きだと鳥が海を越えてどんどん渡って行ってしまうのにたいし、悪天候の時には前の出発地で鳥が天候待ちをするので、悪天候の終わった好天の日は沢山の鳥が到着するのでしょう。
悪天候を予知する超能力のようなものが鳥にあるということは証明されていません。実際に悪天候の時に遭難して、普段なら現れないような所で鳥が保護されたり死んで拾われたりすることはあるので、明らかに悪天候なら飛び立たないし、もし飛び立ってから天候が急変したときに降りて休む場所がもしなければ、飛び続けるしかないのでしょう。天候を予知する特別な超能力などがあるわけではないと思います。
お礼
長年の疑問、解決。丁寧に解答ありがとうございました。