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虫は何故あの細い足で身体を支えれるのですか?
不思議で仕方がないです。ごきぶりの足は太く毛だらけといえども、身体からすればかなり細いと思うのです。とんぼやあめんぼは骨折(?)という事とは無縁なのでしょうか。彼らは重たくないのでしょうか。教えて下さい。
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「体重を支える」ということは、どういうことかというと、万有引力の法則で、すべての物質には、地球の引力がかかるのです。人間は結構重いですから、その分、引力で、地球に引っ張られています。この引力に対抗して、倒れないように支えるということです。 足を骨折したりして、うまく働かない場合、松葉杖を使いますが、それでも、バランスが崩れて、地球に引っ張られて、転げる・倒れることがあります。 また、非常に重いものを、持って歩こうとすると、よろけて、これまた転げる・倒れることがあります。 人間の両足は、人間の体重に対しかかる、地球の引力に対抗できるだけの「強さ」を持った大きさとして、現在のような大きさなのです。昔、カリエスという病気で、骨が溶けて、足などが細くなった場合には、体重を支えることができず、足の骨が折れ、倒れるということもありました。 ごきぶりやアメンボやとんぼはとても小さい体をしており、非常に軽いです。地球の引力もごく小さくしか働きません。 体積というのは、長さの三乗に比例して大きくなったり、小さくなったりするというのはご存知だと思います。体積を求める公式は、立方体なら、aXbXcで、各辺が同じだと、aの三乗となります。 昆虫などは、身体が小さいので、大きさの三乗に反比例して体重が小さくなります。当然、地球の引力も小さくなります。 ところで、重さを支えるための足の太さとしてはどうなるのかと云いますと、足の「断面積」が問題になります。 つまり、50平方センチの断面積の足で、50キログラムの体重を支えようとすると、足の断面積の1平方センチ当たり、1キログラムを支えることができればよいことになります。 大きさ・長さで考えると、断面積は面積ですから、長さの二乗に比例すると云えます。 昆虫などは、大きさが数センチというのが多いです。簡単に、人間の大きさの100分の1としましょう。すると、体重は、100の三乗の逆の数で、100万分の1になります。 つまり、大体の話ですが、昆虫などは、人間の体重50キログラムの100万分の1、つまり、0.05グラムだということになります。ゴキブリなどは、もっと重いですが、1グラムもあれば重い方です。 昆虫の足が人間と同じような強さを持っているとすると、人間の足は、大体の話、1平方センチで、1キログラムを支えることでき、1グラムを支えるには、0.1平方ミリメートルでよいことになります。 つまり、足が円形だとすると、体重1グラムの昆虫は、大体、直径0.2ミリほどの細い足で、体重を支えられることになります(正確には、もっと複雑な話ですが、原理的には、こういうことです)。 これは、大きさ・長さに対し、体積で大体決まる体重は、長さの三乗に比例して、大きくなったり、小さくなったりするのに対し、それを支える足などの断面積は、長さの二乗に比例して、大きくなったり小さくなったりするためです。 人間の場合で、体重1と足の断面1とすると、100分の1の大きさの生物は、体重は、100万分の1になるが、それを支える足の断面積は、1万分の1でよいので、この生物の体重を1に考えると、足の断面積は100分の1でよくなるので、非常に細い足でも、体重を、地球の引力に対し、支えることができるようになるのです。 足の骨折については、昆虫の場合、水のなかなどにいる場合は別ですが、足の強さも弱くなっているので、強い力を受けて骨折することは、結構あると思います。 ただ、足を骨折すると、その状態にもよりますが、自然界は厳しいので、死ぬことになり、あまり、足を骨折した昆虫を見ないということでしょう。よく観察していると、とんぼやゴキブリなどで、たまに足を骨折したものがいます。
お礼
そうですね。たまに足を引きずっているごきぶりを見たりしますよね。こんなに沢山の計算があるんですね。何回も読み返しました。こんな簡潔に説明頂いてありがとうございました。又繰り返して読むと思います。感謝してます。