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酢酸のpHの理論的滴定曲線
- 学校で水酸化ナトリウムで酢酸のpH測定を行い、理論的なpHの計算方法がわからない問題について解決方法を教えてください。
- OH-が過剰な場合は水酸化ナトリウムの濃度から計算できますが、H+が過剰な場合の計算方法が不明です。
- 緩衝液のpH=pK-log(CAH/CBA)を使用することを考えていますが、当量点までこの式で計算できるか不安です。
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きちんと式を立てると[H+]についての3次方程式になります。 中和点までの滴定曲線には3つの特徴ある部分が見られます。 (1)NaOHを加え始めたときの急激にpHが上昇するところ (2)ほぼ直線的にpHが上昇するところ (3)中和点に向けて急激にpHが上昇するところ 酢酸のみ、中和点や1/2中和点の付近などという特別な場合は近似で解くことが出来ますが一般的には数値解法になります。緩衝液の表現は1/2中和点付近(2)に相当するものです。 きちんとした式を書いておきます。 変形はやってみて下さい。 [CH3COOH]+[CH3COO-]=c1 (式1) [Na+]=c2 (式2) [Na+]+[H+]=[CH3COO-]+[OH-](式3) [CH3COO-][H+]/[CH3COOH]=K(式4) [H+][OH-]=KH (式5) (式1)は混合溶液中での酢酸の濃度です。溶液内ではCH3COOHとCH3COO-の両方の形で存在しています。中和のどの段階かによって大小関係は変化します。c1も変化します。 (式2)は加えられたNaOHの混合溶液中での濃度です。NaOHが加えられると液量が増えますのでc2は変化します。OH-は反応していますのでNa+についてだけの表現になります。 (式3)電気量の保存です。酸性領域では[OH-]は無視できます。この時は(式5)は不要になります。 [NaOH]=0の時にも対応するようになっています。NaOHが加えられると[Na+]≫[H+]ですので [CH3COO-]~[Na+]=c2となります。 この時は簡単に解くことが出来ます。 (式4)酢酸の電離平衡の式です。 c2=0の場合、[H+]~√(c1K) 0<c2<c1の場合、[H+]~(c1-c2)K/c2 c2=c1の場合、[H+]~√(KKH/c1) 質問の中に示されている式は2番目の式ですね。