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クレゾールノボラックの化学結合の位置
クレゾールノボラックの化学結合はいろいろな位置にあるものが混合しているものと思います。 ただ、メチル基はフェノール性水酸基に対しオルト位にあることが多いと聞きました。 残り2つのメチレン基はどの部分についていることが多いのでしょうか。 メタに2つ、オルトとパラ、オルトとメタ、などの組み合わせが考えられると思いますが、それぞれの一般的な割合などがわかれば教えてください。 また、ノボラック合成の仕方で割合が変えられるのであれば、それについても教えてください。
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> メチル基はフェノール性水酸基に対しオルト位にあることが多い メチル基の位置は、原料のクレゾールによって決まります。 従って、o-クレゾール100%のものを使用すれば、メチル基の位置も 水酸基に対してオルト位になっているのが100%になります。 (仮にオルト/メタ/パラの比率がそれぞれ50/20/30(%)であれば、 生成樹脂内のメチル基の位置も、同様に50/20/30(%)、と) > 残り2つのメチレン基はどの部分についていることが多いのでしょうか。 この重合反応では、ホルムアルデヒドのカルボカチオンと、クレゾールの オルト位・パラ位に生じたカルボアニオンとが結合することになるので、 クレゾールはオルト・パラ配向性になります。 従って、o-クレゾールあれば、メチレン基はパラ位ともう一方のオルト位に 結合していることになります(100%)。 また、p-クレゾールの場合も同様に、メチレン基は2ヶ所のオルト位に結合 することになります(これも100%)。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 最後に、m-クレゾールの場合ですが・・・この場合は、オルト位2ヶ所と パラ位の合わせて3ヶ所が結合可能になりますので、実際のデータを 確認する必要がありますが、残念ながら私はデータを持っていません。 ただ、メチル基や水酸基はそれほど大きな立体障害は持たないので、 恐らくオルト位・パラ位で大きな確率差はないのではないかと思います。 そう考えると、 「一方のオルト位が空き/他方のオルト位が空き/パラ位が空き」 がそれぞれ1/3ずつの比率となるはずなので、 「オルト・パラが約67%(=2/3)/オルト・オルトが約30%(=1/3)」 程度になると推測できます。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 原料のクレゾールがオルト/メタ/パラの混合物の場合は、その混合比率に 対して上記の割合をかけてやれば、それぞれの位置にメチレン基が結合した ものの比率を出せることになります。 例えばオルト/メタ/パラの比が50/20/30(%)だとすると、 原料オルト:メチレン基オルト・パラ 0.5*1=0.5 原料メタ:メチレン基オルト・パラ 0.2*0.67=0.134 メチレン基オルト・オルト 0.2*0.33=0.066 原料パラ:メチレン基オルト・オルト 0.3*1=0.3 となるので、樹脂全体としては メチレン基がオルト・パラ:0.5+0.134=0.634 (=63.4%) メチレン基がオルト・オルト:0.066+0.3=0.366 (=36.6%) 程度と推測できる、ということです。
お礼
回答ありがとうございます。 o-クレゾールノボラックの場合は一つの型に決まってしまうんですね。 フェノールノボラックだと混合物になるから、化学構造式を書くときベンゼン間の中に結合を入れるようなあいまいな書き方をする必要があるけれど、o-クレゾールノボラックであればはっきり書いてしまってもよさそうですね。 大変勉強になりました。