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PCR反応における、形質転換について

PCR反応における、形質転換効率と、組換えDNA作成による形質転換効率の度合いについての質問です。 今回の実験では、PCR反応をしていく上で、ベクターにDNA断片を挿入すると、ベクター上のβーガラクトシダーゼ遺伝子が破壊されるため、本来なら、この遺伝子の働きによってX-galという成分が破壊されてできるはずの青色の色素が合成されずに白色になる…とあるのですが、コロニーの色素がほぼ白色になっていました。 中にはコロニーの中心点にわずかながらですが青色がところどころのコロニーに点在し、どのような反応が起こったことでこのような反応になったのかがわかりません。 あるサイトでは以下のように記載されていたのですが、なんとなく理解できないので、詳しく解説してもらえたら助かります。 よろしくお願いします。 全部白(すべてに外来DNAが挿入され、形質転換もされている) ↑これは納得できます。 白と青(挿入されないものもあるがほとんどに外来DNAが挿入され、形質転換もされている) ↑形質転換されるときにベクターの反応が何らかの理由により形質転換されておきるものだと思います。 全部青(外来DNAは挿入されなかったが形質転換はされている) ↑これが一番のなぞです。うちの実験の解説では、X-gal(元は無色)をβーガラクトシダーゼが酵素活性することで加水分解しコロニーが青色に沈着するはずですが、いったいどういうことなのでしょうか? そもそも、この実験では、ベクターを挿入することで白色のコロニー(組換え体)を生成することに焦点を置いているはずで、青色のコロニーを生成することに焦点を置いていません。ですから、外来DNAが挿入されていないから白色コロニーを生成できなかった、だから形質転換できていないはずなのではないでしょうか?

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  • miya_0726
  • ベストアンサー率54% (94/173)
回答No.1

そもそも、PCRで増幅したDNA断片は、そのまま形質転換してもDNA断片自体は複製できませんし細菌内のDNaseにより分解されてしまうため、面倒ですが自己複製能のある環状DNA(ベクター)に挿入する方法を取ります。 この場合、 1、細菌内にベクターが存在し 2、ベクターにはPCRで増幅した断片が挿入されている この2つの基準をクリアするものを探す必要があるのです。 ですが、ベクターもDNA断片も目で見えませんから、どうにかして可視化してやらねばなりませんね。 まず1ですが、ベクターが形質転換されたか否かは抗生物質を使用することが多いです。形質転換後に塗布するための寒天培地に、抗生物質(アンピシリンなど)とIPTG、X-galを入れませんでしたか?ベクター上には抗生物質耐性遺伝子が組み込まれており、ベクターを持つ細菌のみ抗生物質存在下でも生存できます。 こうやってベクターがある細菌のみ選抜することができますが、これではまだベクターにDNA断片が挿入されているか否かはまだわかりません。実際、DNA断片がベクターに挿入されているかどうかは運まかせで、制限酵素-リガーゼ法での挿入率はそれほど高くありません。InvitrogenのTOPO isomeraseキットでの挿入率はかなり高いですがそれでも100%ではありません。ここから、DNA断片が挿入されているかどうかを確認するのがblue-white selectionです。 原理はご理解している通り、ベクター上の抗生物質耐性遺伝子とは別の場所にあるβ-ガラクトシダーゼ遺伝子内にDNA断片を挿入することにより、挿入があればβ-ガラクトシダーゼが発現せずX-galが分解されないため白色、挿入がなければ青色コロニーが得られるようなシステムです。 ・全部白の場合 (実際にやってみると、まずほとんどないですが)制限酵素などで開環済みのベクターの全てにDNA断片が挿入されて環化している状態です。 ・白と青が混ざる 制限酵素などで開環済みのベクターの一部でDNA断片が挿入されて環化している状態です。挿入されなかったベクターは自己環化しており、β-ガラクトシダーゼが発現するため青になります。 ・全部青 これ、いわゆる大失敗というモノでして、何らかの理由により開環済みベクターにDNA断片が挿入できなかったことを示します。全てのベクターが自己環化し、β-ガラクトシダーゼを発現しているため全部青になります。 (たまに、挿入したDNA断片が細菌に対して致死性を示し、本来青と白の両方が出てくるはずが白は死んでしまうため青だけ残る、というのもあるのですが・・・) 用語の使い方が一部怪しい部分が見受けられますので、まず用語をしっかりと理解しましょう。

takkyun66
質問者

お礼

まだ学習していない実験をおこなっていたので意見を参考にさせてもらいます。 ありがとうございました!!

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回答No.2

まず、用語の定義を正しく理解しましょう。 大腸菌などでいう「形質転換」(transformation)とは、細胞外からDNAが(この場合プラスミドと考えてください)入ることにより、もともとは持っていなかった遺伝子が導入されることです。 「PCR断片が組み込まれたプラスミドだろうと、組み込まれていないプラスミドであろうと」、大腸菌にはいれば形質転換を起こしたといいます。 考えてご覧なさい。もともとは抗生物質で死んでしまう宿主菌に(挿入DNAがあろうとなかろうと)プラスミドが入ったからこそ、耐性遺伝子を得てコロニーを形成するのです。まさに、形質転換でしょう。 >全部青(外来DNAは挿入されなかったが形質転換はされている) >↑これが一番のなぞです。 形質転換と、プラスミドに外来のDNA断片を挿入することとは別の話ですので、ぜんぜんおかしいことはありません。外来DNAを組み込むのに全く失敗したプラスミドで形質転換がされたということです。 >白と青(挿入されないものもあるがほとんどに外来DNAが挿入され、形質転換もされている) >↑形質転換されるときにベクターの反応が何らかの理由により形質転換されておきるものだと思います。 ひょっとして、「形質転換」という言葉を、ligationとか外来DNA断片の組込みといった意味と取り違えていますか。外来のDNAの組込みに成功したプラスミドと(白色コロニー)、失敗したプラスミド(青色コロニー)が混在した状態で形質転換が起こった(どちらもコロニーを形成した)ということです。 詳しくは省きますが、外来DNAをプラスミドに組み込む操作は、ある種の化学反応の連続なので、100%の効率で起こるわけではありません。多くの場合、組込みに成功した分子と、失敗した分子の混合物を生じます。

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