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地震動の最大加速度について
兵庫県南部地震以前は,地震動の最大加速度は200~300Gal程度だったと思うのですが,それ以降,最大加速度はどんどん大きくなっているように思います。これは,最近地震が大きくなったというよりは,地震計の精度が単によくなったというように思うのですが、どうでしょうか?
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#3です。 >デジタルサンプリングの分解能が高くなった →高周波成分の感度がよくなった。 →最大加速度が大きくなった。 ということでしょうか? 方眼紙に波形を適当に書いて等間隔に読み取ってみればわかると思いますが、刻みが粗いほどちょうど読み取る部分にピークがクル確率が悪くなります。 また補足にあるように、高周波成分を取り込みやすいので、その影響により大きな加速度が記録できます。 一様建築が専門なので#2さんへの補足についても回答しておきます。 建築基準法では補足にあるように数百ガル程度の加速度しか想定しておりません。つまり2000galクラスは地震外力としては考慮しておりません。 加速度による耐震設計は加速度に質量をかけると力になること、また加速度計の開発が進んだことにより、加速度を指標とすることが最初に確立されましたので、現在まで使用されています。 しかし最近の研究では、地震による建物の影響は加速度ではなく、振動エネルギーで評価するほうが妥当であると考えられています。 そのため、最近の地震観測では、エネルギーと対応のよい速度を計測することも行われています(速度の2乗がエネルギーに比例すると考えられています)。 加速度と速度の間では微積の関係があります。 加速度を積分すれば速度になります。この作業は加速度の波形の面積を求める作業ともいえます。高周波の影響はピークは高くても幅が小さいため積分してしまうと、低周波に埋もれてしまいます。 また地震応答については、建物の固有振動数との影響が関係し、建物の固有振動数よりかなり高い周波数成分については、応答倍率が小さくなることからあまり影響しません。 そのため、加速度における高周波成分はあまり建物に影響しないと考えられています。
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>兵庫県南部地震以前は,地震動の最大加速度は200~300Gal程度だったと思うのですが, 実は、兵庫県南部地震1年か2年前に北海道でもっと大きい地震がとれています。釧路気象台だったように記憶しています(これはちょっと自信ありません)。大きさも兵庫県南部地震と同じか大きいものだったと思います。 この地震による被害は加速度からいうとかなり小さかったので、それが話題になりました。 ただし、兵庫県南部地震以降の記録は大きな記録がとれるようになったのは、先の回答にあるように地震計の配置密度が高まったことにより加速度の大きかった地域の地震動をとれる確率が高まったこと、また地震計の感度というよりもデジタルサンプリングの分解能が高くなったことが影響しているようです。
補足
デジタルサンプリングの分解能が高くなった →高周波成分の感度がよくなった。 →最大加速度が大きくなった。 ということでしょうか?
- kabo-cha
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兵庫県南部地震以後、防災科学技術研究所(防災科研)という機関を中心に、産総研、各大学、自治体が非常に多くの地震計を設置したためです。 地震動は局地的に大きくなることが多く、観測点が密ならばその局地的な最大化速度を記録できるからです。 新潟県中越地震の最大化速度は2000ガルを超えていましたが、これも昔からの観測点しかなければ、せいぜい数百ガルまでしか記録されていなかったでしょうね。 震度7が公式に発表されるようになったのも最近のことですが、これもかつては震度を記録する場所(測候所)が疎らだっただけです。過去の大地震でも局地的には震度7の地域があったらしいことが指摘されています。
補足
現在の構造物などの安全性は,最大加速度が数百ガル程度の場合を想定しているように思うのですが,2000ガルを超えるようなものも観測されている昨今,このような地震動も対象となるのでしょうか?
- kapox
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地震計の設置してある場所が増えたのも原因みたいだよ。
お礼
従来の加速度×質量=力という観点の指標,最大加速度指標から,実状にあった振動エネルギーで評価しつつある。ということですね。 よくわかりました。どうもありがとうございます。