- ベストアンサー
「人民の、人民による、人民のための政府」は誤訳?
1/13付けの産経新聞にリンカーンの「government of the people, by the people, for the people」という有名な演説のことが掲載されていました。http://www.sankei.co.jp/ronsetsu/seiron/070113/srn070113000.htm 筆者の拓殖大学藤岡信勝教授は、 ・実は〈government of the people〉を「人民の政府」と訳すのは完全な誤訳なのである。 ・なぜなら、これは「人民を『対象』として統治する政府」という意味だからである。 ・「人民の政府」という日本語の語句をいくらひねくり回してもそういう意味は絶対に出てこない。 と言い切っていますが、本当なんでしょうか?文法的な解説も記述されていましたが、英語に弱いためよくわかりませんでした。どなたか分かりやすく解説していただけないでしょうか? 「人民の、人民による、人民のための政府」という有名な訳が誤訳だったなんて、ちょっとショックです。
- みんなの回答 (15)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
以下は、『ニホン語、話せますか?』(マーク・ピーターセン 著)からの抜粋です。 (藤岡教授と同様な主張が日本にあることについて) 「英語圏で141年以上も続いてきた常識的受け止め方が引っ繰り返される、リンカーンも驚くにちがいない、突拍子もない文法的解釈だが、(中略) リンカーンの言葉について簡単に言えば、government (which is) of the people (and is) by the people (and is) for the people(ちなみに、中国ではこれは「民有、民治、民享的政府」と訳されているようだが)の of the people は、いわば、「人民の合意の上で出来た」や、「人民の間から生まれた」などのような意味を表している。リンカーンはこの言葉で「government = 政治」を説明しているわけで、government に統治されるのは the birds でも the flowers でもなく the people だよ、とわざわざ述べる必要も意図も、言うまでもなく、ない。」
その他の回答 (14)
- Buchikun
- ベストアンサー率36% (161/443)
普通前置詞 of は「~の」と訳すことの多い言葉です。 例)Port of Yokohama横浜の港 Load of the Ring 指輪の王 などですね。 しかし、辞書を引くと詳しく書いてありますが、ofにはその教授の言うような使いまわしの意味もあり、今回の文意を汲めば人民に対するが正しいとしか思えません。 人民の、人民によるって同じことの繰り返しになっおります。 この演説ですが、人民が人民に対して人民の為に政治を行う政府を作るのだ、という決意を表しているので、誤訳という説が有力なのです。 同時通訳でofを~のと訳したものがそのまま日本語訳の通説となってしまった「歴史的誤訳」として有名な話です。
お礼
・ご回答ありがとうございます。 >人民の、人民によるって同じことの繰り返しになっおります。 ・確かにそうですね。「同じ」というか「人民の政治」という日本語は「人民による政治」という意味と「人民のための政治」という意味が含まれる気がします。「人民の政治」だけだと意味不明瞭ですね。 >同時通訳でofを~のと訳したものがそのまま日本語訳の通説となってしまった「歴史的誤訳」として有名な話です。 ・当時同時通訳があったんですか?それとも最近(といっても何十年も前でしょうが)の政治家が、演説でリンカーンのこの演説を引用でもしたときの同時通訳なのでしょうか?
- seasoning
- ベストアンサー率25% (182/713)
#2です。失礼しました。 ちゃんと、教授の演説内容を読んできました。 「人民の政治」 ←これが誤訳って事ですね。 「人民による政治」 「人民のための政治」 確かに、目的格関係のofと考えると「人民を統べるための政治」と訳せますね。。。。
お礼
ご回答ありがとうございます。やはりそうでしたか。
- seasoning
- ベストアンサー率25% (182/713)
「人民の政府」と訳しているのを聞いたこと無いのですが・・・ 「人民を『対象』として統治する政府」=「人民のための政治」 あっているような気がします。
- sa-ming
- ベストアンサー率33% (4/12)
人民の、人民による、人民のための政治 じゃないですか?
お礼
早速のご回答ありがとうございます。「government」を「政治」と訳すのか「政府」と訳すのかは様々でしょうが、民主主義の本質を説くという趣旨からは、いずれでも大差はない気がします。
- 1
- 2
お礼
ご回答ありがとうございます。 >ちなみに、中国ではこれは「民有、民治、民享的政府」と訳されているようだが ・これで決まりですね。中国語はよく知りませんが何となく意味が分かります。No.11様のGHQの翻訳憲法という揶揄がある日本国憲法前文にしても、中国語訳にしても、米国人も中国人も、この場合の「of」を「起源、根源」に解釈していたんですね。藤岡教授の言いたいこと(国民は統治される対象でもある→権利ばかり主張せず、義務も果たせ)は理解できますが、そのためにリンカーンのこの部分を引用するのは間違いだと考え直しました。ありがとうございました。