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再度スピン系について

一度質問させていただいたのですが、もう少し色々な方の意見が聞きたいので再度質問させていただきます。http://oshiete1.goo.ne.jp/qa2607838.html 私は大学院生で今就職活動中なのですが、殆ど勉強していなかったため恥ずかしながら未だに自分の研究を満足に人に伝えることができません。 一次元量子スピン系についての理論計算を行っているのですが、このスピン系というものが実はよく分かっていません。 どなたか分かりやすく教えていただけますでしょうか? よろしくお願いします。

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  • chan-sho
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回答No.1

古典スピン: スピンは”ベクトル”として扱われ、磁性体とは「向きを持つスピン(ベクトル)の集合体」と考えられていました。このスピンをベクトルとして扱うモデルでは「相転移=スピンの向きの秩序化」で、外部磁場が存在すればスピンは向きが変えられる、としたんです。事実このモデルを用いることで様々な磁性体の磁性(磁気構造)は定性的に理解されました。 量子スピン系: 低次元磁性体は3次元系に比べて隣接格子点数が少なく(1次元系=2つ)、遠く離れた格子点をつなぐ経路の数が少ない(1次元系=1つ)為、一つ一つのスピンが受ける相互作用が小さくなり「量子揺らぎ」の効果が大きくなります。よって広い温度領域にわたりスピンの”短距離秩序”が顕著になり、スピン揺らぎによる非線形効果や量子効果に低次元系特有の現象が見られます。 よって以降は量子力学的に、スピンを演算子として考える必要がありこのような系を「量子スピン系」と呼ぶと思います。 量子スピン系の良い例かどうか自信はありませんが、 S=1/2のHeisenberg型反強磁性体(スピン間の交換相互作用が等方的)についてかんがえてみると; *古典スピン系 スピンをベクトルとみなす「古典スピン系(スピン量子数が大きい時もこれがよく当てはまる)」では、スピン上向きと下向きが交互に並ぶNeel状態(↑↓↑↓↑↓)が一般のHeisenberg型反強磁性体の基底状態となります。この場合Neel状態からの低エネルギー励起(第一励起)はスピン波で表現されます。スピン波とは、スピンが平衡位置の周りで歳差運動し、その位相の変化が波としてスピン系を伝わって行くものです。で、このスピン波のエネルギーの分散関係はもとまっていて(磁性の本には必ず載っていると思います^^)。波数k=0とπとでゼロになるので、E(0) = 0及びk = 2π/λであることから、kを0に限りなく近づけると、無限に長い波長のスピン波を考えることになり励起する為のエネルギーはゼロ!。基底状態と励起状態との間にエネルギーギャップがない。則ちスピンギャップが存在しないとなります。 *量子スピン系 スピンを演算子とする量子スピン系においては、上記のNeel状態はもう既に基底状態ではなくなり、絶対零度においても長距離秩序は起こらずただトータルスピンがゼロである短距離秩序の状態となっています。 低次元性に由来する大きな”量子揺らぎの効果”は理論的には完全に理解されていませんが、S = 1/2の場合(S = 1/2 一次元Heisenberg型反強磁性体)についてのみ正確な固有関数が1931年Betheにより求められています 。これにより基底状態は厳密に解かれ、シングレットとなること(厳密には時間的空間的にシングレットを組み替える”スピン液体”、一次元系だと”朝永ーLuttinger液体”)が分かり、又この場合の第一励起状態はトリプレットです。このトリプレットのエネルギー分散関係も厳密に求められていて(すいませんこの場ではかけませんでした・・・磁性の本で探してみてください^^)エネルギーギャップは存在しません。 以上の様に、古典スピンと量子スピンではまったく振る舞いが変わってきます!! S=1/2は量子スピンと考えてよいと思います。 Sが大きくなると、古典スピンでも考えれれます。 P.S 実は僕もこのサイトで質問を出し、とても丁寧に対応していただいた経験があるので今回、回答させていただきました(一応僕が理解している範囲ですが・・・)~。 Give&Takeですかね^^ 頑張ってください!

leggiemiller
質問者

お礼

丁寧な回答ありがとうございます。 勉強不足で少し分からないところもありますが、再度見直して理解しようと思います。

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