まめな繰り上げ返済は、経費(手数料)や、返還される保証料の兼ね合いで、一概にお得とは言えないことがあります。
その場合は、ある程度まとめたほうが有利です。
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元利均等払いの場合、いくら得するかは、毎月変化します。
方向としては、年月がたつにつれてだんだん少なくなります。
ですので「何回目か」という情報も必要になります。
繰り上げ返済の場合、返済額は次の月の元金に充当します。
それにより、その月の利息分を支払わずに済みます。
その支払わずに済んだ利息分が、繰り上げ返済により得をする額です。
銀行により「○万円」というかたちで繰り上げ返済できるところもあるのかもしれませんが、私の銀行は「元金○ヶ月」です。
以下「元金○ヶ月分」という前提で計算します。(そのほうが簡単なので・・)
具体的には、下記のようなExcelの計算式で求められます。
PPMT関数とIPMT関数を使用します。
PPMT関数は元金を、IPMT関数は利息を求めます。
(支払額そのものを求めるPMT関数があります。PMT=PPMT+IPMTになります)
=PPMT(年利/12,何回目,総回数,-借入額,0)
=IPMT(年利/12,何回目,総回数,-借入額,0)
この式で「○回目」の元金と利息が分かります。
この額は、○回目が変化すると変化しますが、2つの合計値は常に同じ(=毎月の返済額)です。
年利2.3%・25年・1回目は下記のようになります。
=PMT(2.3%/12,300,-20000000,0) 87,772円
=PPMT(2.3%/12,1,300,-20000000,0) 49,389円
=IPMT(2.3%/12,1,300,-20000000,0) 38,333円
繰り上げ返済を「1ヶ月」すると、49,389円を払い、38,333円の支払いを免れ得をする、というかたちになります。
12~14ヶ月目で試算してみます。
12回目 元金50,440円・利息37,282円
13回目 元金50,537円・利息37,185円
14回目 元金50,634円・利息37,088円
13回目は月々の支払い、12,14回目を繰り上げ返済と想定します(仮定です)。
12回目・14回目をそれぞれ別々に繰り上げ返済したとすると、50440+50634=101,074の支払いで、37,282+37,088-400=73,970円得をします。
13,14回目をまとめて繰り上げ返済したとすると、50,537+50,634=101,171円の支払いで、37,185+37,088-200=74,073円得をします。
変化する利息の額と印紙額との比較で、数ヶ月まとめたほうがお得であるという結果になります。
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また保証料の問題もあります。
(該当する場合は、上記の元金・利息の変化の差異よりも大きい影響があります)
保証料を別枠で支払った場合は、繰り上げ返済をすると保証料は返還されます。
その際、1回ごとに手数料を差し引かれます。
5,250円とか10,500円とか結構高額で、まめに繰り上げ返済をするとゼロ(手数料負けしてまったく返還されない)になるでしょう。
もしこのケースが考えられる場合は、ある程度まとまってからのほうがお得です。
保証料の返還や手数料は銀行ごとに違うので、詳しくは銀行にお尋ねください。
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私の場合は、借入金と銀行の繰上返済手数料体系(100万以上は高い)と保証料返還と、自分の懐具合(^^;)を考慮した結果、
1~2年に1回・"100万未満のギリギリの○ヶ月"で繰り上げ返済としています。
お礼
ありがとうございます。