こんにちは。ひさしぶりに正面切って正統派のご質問ですね。
#8の方が大変良い回答をされていますので、私は補足を・・・
それでも少々長くなりそうですが、次のような説明ではいかがでしょう
ポイントのひとつとして、“「周波数」に比べ「波長」は意識してもあまり役に立たないのですが・・・“
まず、電波を、次のようにご確認いただきましょう
電気は電線を通るのはご存じでしょう。そして、電線に電気が流れるとその周りにわずかながら磁力が発生する中学生のころの理科の授業はご記憶でしょうか(その電線を束ねて磁力を集中させるのが「電磁石」ですね)。一方、その電線に流れる電気の強さを変動させると、電気と磁気が相互に助け合って、電線の外に電気が飛び出します。これが「電磁波」で、原理的には電池と電線とスイッチさえあれば、「電波」を発生させることができます。電池にスイッチを介して電線をつなぎ、そのスイッチをものすごい勢いで繰り返し入れたり切ったりすればよいのです。(現在はそのスイッチとして「トランジスタ」というものが使われています。)
(この原理はマクスウエルさんという人が電気と磁気の数式の組み合わせの中で発見し、ヘルツさんという人が実際に強力な電源とスイッチの組み合わせで実証しました。)
さて、スイッチを1回入れる、あるいは1回切るだけで瞬間的な電波が出ますが、電波に情報を組み込むためにはオンオフを、ある程度速く繰り返し行う必要があります。そして、他人の通信との混信を避けるためにはこの繰り返し速度(1秒間でのオンオフ回数:周波数)の違いで区別する仕組みが発見されましたが、一方で、この「周波数」が大きく異なると電波の飛び方が変わることにも気がつきました。
それらが明確に意識された頃、使用される周波数は1秒に100万回(1MHz。今のAMラジオの周波数)くらいで、エンジンにつけた発電機の構造やスイッチの構造を工夫して何とかこの速度を実現していたのです。これが、この当時の常識的な速度であり、MF(Midium Frequency 普通の振動速度)です。
やがてもっと速い速度だと、よりたくさんの情報を送ったり、独特の伝わる特性を利用することができることから、そちらが有効に考えられるようになりました。これがHF(速い振動速度)です。
さて、その後、さらに速い振動速度が使われるようにはなりましたが、ここでしつこく確認しておきたいのは、「振動を速くしても、伝わる速度自体は同じ」ことです。
スイッチを一回入れると、一瞬、電波が発生し、その波は1秒に30万Kmの速度で周囲や宇宙に飛び出していきます。スイッチを繰り返してオンオフするとたくさんの波が並んで出て行きますが、1個の波が走る速度はいつも1秒30万Km。こうなればわかりますね。1秒に1回のオンオフなら、ひとつひとつの波同士の間隔は30万Km,1秒に10回なら3万Km、1秒に100万回なら300m。これが波長です。
従って、周波数が速いほど波長は短くなるので、「周波数が高い=短波」、「もっと周波数が高い=超短波」という言葉が生まれたのです。
これは音でも同じです。空気の圧力の揺らぎの伝わる速度は振動の速度に関係なく1秒約340m。1秒340回振動する太鼓の音は1個1mの波であり、3400回振動する笛の音の波は1個10cmです。
一方、この「波長」、あまり意識しても意味はないかもしれません。考えてみれば、音だって、こんなに波長が違うのに、同じ耳の穴で十分聞こえます。やはり感覚的には「音の高さ」として、周波数のほうが意識しやすいでしょう。
・・・というわけで、携帯電話などで1秒に10億回くらいの周波数の電波を日常的に使用している現代の私たちから見ると、100万回程度を「普通の振動」とし、数百万回を「高い」と称した先輩たちをちょっと笑ってしまいますが、実はその後にも、同じ過ちが繰り返されました。
衛星放送などで使われている1秒100億回くらいの電波を「マイクロ波」と言いますが、この波長は1cmくらいで、決して「マイクロ」(ミクロン)ではありません。装置を開発した当時の、「こんなに速い振動(短い波長)が使えるなんてすごいだろう」との誇りが感じられますが、その後、波長が数mmの電波も使用されるようになって「ミリ波」と名付けられるに至って、「マイクロ」より「ミリ」のほうが波長が短い・・???という矛盾した用語が、それでも現在ではちょっとした苦笑とともに根付いています。
(もちろん、波長も、意識すべきときはあります。音の波長に合わせたパイプにより、オルガンの響きがより良くなるように、ある比率で波長に合わせた(1/4はご存じのようですね)電線は、高い効率で電波を受けるアンテナの機能を持つことができます。一方、電線を無理矢理巻き込んだ「コイル」などを併用することで、1MHzのAMラジオも見かけのアンテナ無しで何とか聞こえています。)
おって、周波数が低いほど飛びやすいのは、概ね音と同じに理解して良いでしょう。特に、壁の脇から内側に曲がって入ってくる「回り込み」はまさに同じ原理で「波長が長い」ことが有利に影響します。(携帯電話は回り込みが難しいので、基地局数で救おうとしています)
さらに、30MHz以下であれば、地球を取り巻く「雲」のような特殊なプラズマの帯である「電離層」で反射するので、宇宙に飛び出てしまう電波が再び反射して地球の裏側にも伝わるため、特に遠くまで飛ぶように実感できます(時間帯と使用する周波数で反射の仕方が細かく変わるので、時間によって周波数も切り替える必要があるのが難点)
さらに、波長数Kmの波として、かつて船舶の位置を知るための「ロラン」などがあったのは事実です(今ではGPS)が、さらに、現在良く売れている「電波時計」は波長約5Kmの電波(1秒6万回の振動)を使っています。
(送信アンテナは数百mの鉄塔。受信側は数cmのコイルという超アンバランス!!)
さてさて、長くなってしまい、私のほうが楽しんでしまったかもしれませんが、ご質問の趣旨にあっていましたでしょうか。
お役に立てば幸いです。
お礼
長文でスミマセン。m(_ _)m 私は近所の大人達にポピュラーピアノを教えていた頃があったんですが、生徒さん一人一人のレベルに合わせて全て編曲していました。xxx鉄鋼のおじさんはジャズが好きだからこうして…、あそこの奥さんは指が届かないだろうからこうして…、と原曲通りの楽譜では無いけど楽しんで貰えればと思って努力をしました。生徒さんからすれば技術の壁や表現の壁があったかと思いますが、苛立ちによる感情の衝突はありませんでした。私が易しく編曲しすぎたのかもしれません(^^;、その証拠にGeorge GershwinのSummertimeを白鍵だけで弾けるようにしてあげたら「先生、これじゃ民謡か演歌みてぇ、もうちょっと格好良くなんねぇ?(笑)」とより高度なレベルを要求してきました。 私は誤解があったり厳密さを欠いても最初は易しく一通り説明し、イメージ付けすることの方が大事だと思っています。生徒さんが一通り(誤解を交えて)理解すると、今度は辻褄が合わない部分(ちょっと高度な論理展開)に関して質問してきます。民謡Summertimeに気づかない人もいますし、気づいててもそれで満足する生徒さんもいます(^^;。「先生、それ違うんじゃねぇ?」と指摘される方が嬉しかったです。{お!よくその違いに気づいてくれた!みたいな。}。「この音は代理音でこっちの音が正しいんです。でもほら、指が届かないでしょ?じゃ、正しいこっちの音で練習します?」と弾いて見せます。 ただ八百屋のご主人がショパンの英雄ポロネーズを弾きたいって話があったときは本当に苦労しました(^^;。もちろん編曲にです。こういったスキルは音大生に教えるのとは違います。 私の理系友達に限って言えば、光の質問→電磁波→マクスウェル→数式公式→の論理展開で、理系の学生さんに対しても素人文系に対しても同じようにしか教えられない気がしてきました。 回答者の皆さん、ためになるお話ありがとう御座いました!m(_ _)m