帯域に乗せられる情報量と歴史的経緯からです。
■帯域に乗せられる情報量
周波数が高いほど時間当たりに送る情報量は多くなります。
TVは音声と比べて30倍も情報量が多いので高い周波数で送り必要があります。
デジタル放送は圧縮して送るので転送する情報量はアナログ放送と同じです。
VHF:超短波帯 (30MHz~300MHz)
アナログ放送の1~12チャンネル
航空無線・船舶無線・軍用無線・レーダーにも使われる周波数です。
UHF:極超短波帯(300MHz~3GHz)
うち470MHz~770MHzをTVが使用
13~62チャンネル。デジタル放送もここを使用します。
その上の周波数は携帯電話・PHS・無線LAN等で使います。
なぜこの2帯域か?
中波(300kHz~3MHz)ではAMラジオの音声を送る程度の情報量しか乗せる事ができません。
VHFの下の短波(3MHz~30MHz)は電離層に反射して遠くに飛ばせる性質を利用してTVの放送開始以前に船舶無線や洋上無線、国際ラジオ放送に既に使用されています。
UHFの上のSHF帯(3GHz~30GHz)はETCや衛星放送に使われますが、雨に弱く、直進性が高くて受信が面倒です。
■歴史的経緯
まず、電波機器はモールス通信→軍用無線→ラジオ→レーダー→TV→携帯電話→無線LANの順にできたという事。
先にできたものの周波数を「どかす」のは大変なんです。既存の機器が全てつかえなくなるわけですから。
VHFとUHFは第2次大戦中に軍事用途(レーダー)で使用され始めた関係で戦後GHQの管理下にありました。貴重な「戦略物資」というか資源です。
それをNHKがTV放送を研究・開発するにあたりVHFの低帯域(1~3チャンネル)から順に米軍から使用権をあけてもらいました。
まず、東京のNHK(1)・教育テレビ(3)・大阪NHK(2)が放送開始します。
そのあと、TVの使用枠が拡大し4から12チャンネルが使用可能になり、東阪名の民放が次々に立ち上げ、更に田中角栄の「列島改造」の時に全国TV放送網が整備されUHF帯域が使われるようになりました。
この時の計画が携帯電話の普及を見越したものでなかったので近年電波が混雑し始め、デジタル化のついでにTVは全てUHFに集めてしまって帯域を有効活用しようというのが周波数変更の狙いで、本来はデジタル放送とは別の話です。
ただ、デジタルになれば古いTVは全て捨てる事になります。
だからこの際TVをVHFから「どかそう」という訳です。
お礼
歴史的経緯まで説明していただきまして有難うございます。電波にもTV放送が載せれるところと載せれないところがあるんですね。よく分かりました。またデジタルとアナログは周波数とは全く関係なかったんですね。質問がわかりづらくてすいませんでした。