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株券の善意取得制度
善意取得の例題を解く際に問題となる実質的権利と形式的資格とは何ですか?形式的資格とは株券を所持していることで発生する資格授与的効力のことですか? 実質的資格はどのようにして手に入れるのですか?
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考え方だけ簡単にご説明します。 詳細は会社法の学術体系書を読まれたほうがよろしいかと。 そもそも株券とは、株主の地位を表彰する証券です。株券が存在することで、株主としての地位を有する権利の所在を明確にすることができます。この権利を株主権とすると、荒っぽく説明すると、その権利が実質的権利であり、株券の占有が認められることにより株主権であることが推定されることがここでいう株主権の形式的資格ということになります(占有の資格授与的効力)。この形式的資格があるがゆえに、株主は株主権の行使に当たり、それ以上に自分が実質的権利者として「この株主権は○年○月に貴社から真正に発行され、○年○月にかかる事由で○が取得、○年○月にかかる事由で○が○からこのような売買により取得、私はこの○から○年○月に転売により取得、本件までの取引に瑕疵はなく私は真正に株主権を取得したものである」云々と証明しなくてもよいことになります。実質的権利は真正な発行・真正な移転等で実質的権利は取得されるのが建前ですが、何が実質かなんて外から見ても判らないことは往々にあります(Xファイルのモルダー捜査官なら「真実はそこにある」とでもいうのでしょう)。形式的資格の有用性はそこにあります。ただし、形式的資格といえど権利者の相続等でずれるケースもあるので万能ともいえません。 株券の善意取得における問題の一つは、株主権の形式的資格者(善意取得を主張する占有者)と実質的権利者(本来の株主)がずれることにあります。善意取得が認められれば、実質的権利の所在が遮断され、実質的権利者から形式的資格のみを有する者へ実質的権利の移転が行われる。例題の趣旨は、これはいかなる理論により正当化されるかについて考えようということでしょう。 ここまで読まれたら、後は図書館へGOです。がんばってください。