タイヤは回転しているということを忘れています。
タイヤ接地面と路面の間には静止摩擦しか働いていません。
勘違いされている方もいるようなので、説明しておきます。
地面に箱を置き、それを横から押します。
力が弱いと箱は動きません。この状態が静止摩擦>駆動力の状態。
押す力が大きくなると、箱はズルズルと滑り出します。これが静止摩擦<駆動力の状態
動摩擦とは、滑っている時の箱と地面のあいだの摩擦で、
一定の速度で押して動いている状態は、動摩擦=駆動力
押す力が大きく、速度が上がっていくときは、動摩擦<駆動力
速度が下がるときは動摩擦>駆動力
動摩擦よりも駆動力の方が小さければ、最終的に箱は止まります。
ですから、普通の物体では静止摩擦>動摩擦です。
タイヤの場合は円形であり回転しているので、走っている車でも接触面ではつねに静止摩擦です。
この「静止」とは、車やタイヤではなくあくまでも「接触面」ですから。
物体と路面が動いているかどうかで動摩擦か静止摩擦か決まるのではなく、
物体と路面の接触面に「滑り」があるかどうかで動摩擦か静止摩擦か決まるのです。
タイヤは常に新しい面と接触しているだけで、滑って進んでいる訳ではありません。
自分が歩くときを考えてください。
右足と左足を交互に出します。
立ち止まっているときでも歩いているときでも、足と地面のあいだに滑りはありません。
歩いているときでも止まっているときでも、足裏対地面の動きは変わりません。足と地面はつねに静止摩擦です。
タイヤも接触面Aの次はその隣の面、また隣の面と回転して次の面が現れるだけで、接触面では常に静止摩擦です。
急ブレーキでタイヤがロックしたときの全輪、急加速でホイールスピンしているときの駆動輪、ドリフトしているときの後輪、が動摩擦の状態です。
お礼
早速のご解説ありがとうございます。 え~と、もしかして私が考えていたのは静止摩擦の方だったんでしょうか? 私が考えていたのは、静止している車が動き出すには静止摩擦を超える力が働かないとタイヤは動かない。。。 問題は>動き出した後は摩擦力の範囲内に力を抑える必要があります。←つまりこのことを考えるべきなのかな? 路面が氷水みたいにツルツルだったら、摩擦力がかからなくなりスピンしやすくなる。 結局、ある程度の摩擦力が働いているおかげでタイヤが正常に回るでいいのでしょうか?