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優勢の法則って?(長くてすみません)
中学校の時理科の授業でメンデルの「優性の法則」を教わったときに感じた疑問です。教科書の欄外に「優性、劣性というものは優れているとか劣っているとかではなく遺伝として現われる形質についていっている」と書いてあったのですけれど、わたしは心の中で、「本当にそうなんだろうか?えんどう豆だってショウジョウバエだってどうみても優性のほうが、生物学的に有利にみえる、人間にだって優性のほうが、劣性よりも優れているんじゃないかな」とすごい不安な気持ちになったんですけど、正しくはどうなんでしょうか?建前ではなくて事実について、ご存知の方どうかよろしくお願いします。
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建前ではなくて事実について、その教科書の注の内容は正しいものです。 penntarouさんのように誤解する人がいるかもしれないのでわざわざつけられたのでしょう。 例えばDominant Negative変異というものがあります。 酵素などで、活性がない(Negative)にもかかわらず表現型が優勢(Dominant)なものを言います(通常、活性がないものは劣勢)。 こういった変異は働きからは劣っていますが、表現型としては優勢なのです。 ある小説の中で、劣性形質のことを「潜在しうる形質だ」と表現していて、うまいな、と思ったことがあります。 劣性の表現型を持った親から優勢の表現型の子がでてくることは(突然変異がない限り)ありませんが、優勢の表現型を持った親から劣勢の表現型を持った子がでてくることはありえます。 大体優性形質のものが生存に優れているのだったら、その形質を持った個体ばかりになるはずですが、そうではありませんね。
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- yakyutuku
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優勢劣勢とは、遺伝子が優先的に発現することを定義づけているので、優劣とは関係ありません。(だったら劣勢なんて言葉あてるなよ)例えば血液型のO型遺伝子はA(B)型遺伝子について劣勢ですが、なにも機能的に劣ってはいません。
- geneticist12
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本筋とははなれますが、補足させてください。 dominant negativeとは、優性的に遺伝子の機能を抑制することを言います。 dominant negativeは、単に機能を失っているというのではなく、「欠陥のある産物を作る」場合にしばしばおこります。 dominant negativeが共存すると、欠陥のある産物との競合で阻害されるために、野生型遺伝子が存在するのにもかかわらず機能低下型の表現がでます。 一方、遺伝子の機能が全くなくなった場合の優性現象というものもあります。このような遺伝子は、一対の正常遺伝子で必要量な産物量がまかなわれていて、一方が機能を失っただけで不足をきたすために変異表現型を発現するので、優性とみなされます(haplo-insufficientといいます)。
植物が持っているeIF4Eという遺伝子は、ウイルスが植物に侵入するときに用いるタンパク質をコードしています。 この遺伝子が壊れた植物は、ウイルスに対して耐病性を示します。 そして、この形質は劣性遺伝します。
- geneticist12
- ベストアンサー率67% (701/1045)
>「優性、劣性というものは優れているとか劣っているとかではなく遺伝として現われる形質についていっている」 正しいです。そもそも優性はdominant、劣性はreccessiveの訳語として作られた造語です。日本人は漢字の印象から優れている、劣っていると誤解しやすいですが、原語にそんな意味はありません。 教科書に出ているショウジョウバエの遺伝子の例はみんな正常の遺伝子(野生型)が壊れて生じた変異なので、劣性であり、有害なのは当然です。しかし、優性であるか劣性であるかと、有利であるか不利であるかは全く尺度が別です。
- suzuhara_misaki
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優性、劣性っていうのは、優れている、劣っているということではありません。遺伝するときに優性の方になりやすいということです。 人間で例を出してみます。 優性>劣性 つむじ 右巻き>左巻き 舌 巻ける>巻けない 耳たぶ 福耳>平耳 手を組んだとき 右が上>左が上 髪の毛 巻き毛>波状毛>直毛 毛髪の色 黒>赤>淡色 まぶた 二重>一重 目の色 黒>茶>青>灰 唇 厚い>うすい えくぼ できる>できない 皮膚 色黒>色白 そばかす ある>ない こんなのがあります。 私は、二重はいいなと思いますが、巻き毛は嫌です。 巻き毛は優性だからなりやすい・・・。
- moritan2
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優勢遺伝する遺伝病はたくさんありますけど。
- sittaka-kun
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質問されている,教科書に記載されている「優性」/「劣性」についての説明は用語の説明であり,性質の説明ではありません。 現在自然界に見られる優性/劣性遺伝の性質としては,生存または繁殖のために不利な形質が優性遺伝する場合,その遺伝子を持つ群は淘汰圧が高くなり,広まりにくく(生き延びにくく)なるため,お考えのとおりの現象が起こりやすくなります。 淘汰圧に関係のない遺伝の場合には関係ありません。たとえば,瞳の色は青が劣性,黒および茶が優性ですが,性質に優劣はありません。(伴性遺伝は除く)
補足
さっそくのご回答ありがとうございます。ところで、えんどう豆の場合ですと、種子の形、子葉の色、さやの形、色、花のつき方、茎の高さ、などさまざまな対立形質が存在しますよね。回答にあったように、人間にも瞳の色や、つむじの向き、耳の垢、などで形質が出るのは知っていました。しかしそれは、わたし達が生きていくのにはほとんどどうでもいいことではないでしょうか、たとえば、えんどう豆の場合、茎の高さは明らかに高い方が有利ですし、ショウジョウバエも羽が野生型のほうが有利です。人間でも教科書に乗ってないだけで、実際にはもっとよく現われる、対立形質は存在しないのでしょうか?
補足
優性形質でも遺伝病の因子があるなんて知りませんでした。どうもありがとうございました。